先日、福井県鯖江・河和田塗の塗師(ぬし)中野知昭さんの個展を見る機会がありました。会場に並ぶ130点程の作品のうち、私の目にとまったのが新作の「応量器」です。これは曹洞宗の修行僧が、托鉢や食事の際に用いる六ヶ(今回は五ヶ)一組の入れ子になった漆器の呼称です。器としては厳しくも美しいもので、作り手としての中野さんがこれを見て、自分の手で作ってみたくなる気持ちはわかる気がします。ロクロで挽き上げた器として、手を加える余地のない究極の形。その反面、自らの仕事全体を厳しく問う“破邪の鏡”にもなりうる訳で、誠実な作り手にとっては“針のむしろ”でしょう。中野さんは、今回のっぴきならない選択をしたのだと思います。他に新作として、弁当箱にうってつけの角や丸の小重。隅丸の角膳など、併せて120点程を御覧に入れます。どうぞお出掛け下さい。
2013年3月7日木曜日
第2回 中野知昭個展のお知らせ
先日、福井県鯖江・河和田塗の塗師(ぬし)中野知昭さんの個展を見る機会がありました。会場に並ぶ130点程の作品のうち、私の目にとまったのが新作の「応量器」です。これは曹洞宗の修行僧が、托鉢や食事の際に用いる六ヶ(今回は五ヶ)一組の入れ子になった漆器の呼称です。器としては厳しくも美しいもので、作り手としての中野さんがこれを見て、自分の手で作ってみたくなる気持ちはわかる気がします。ロクロで挽き上げた器として、手を加える余地のない究極の形。その反面、自らの仕事全体を厳しく問う“破邪の鏡”にもなりうる訳で、誠実な作り手にとっては“針のむしろ”でしょう。中野さんは、今回のっぴきならない選択をしたのだと思います。他に新作として、弁当箱にうってつけの角や丸の小重。隅丸の角膳など、併せて120点程を御覧に入れます。どうぞお出掛け下さい。
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