2013年3月7日木曜日

第2回 中野知昭個展のお知らせ

 この3月18日(月)から、昨年に引き続き2回目になる「中野知昭個展」を行ないます。初日に先立つ17日には、中野さんの新作の一つである応量器を使って、“出張割烹すなお”による料理会も企画しています。2年続けてやる個展は異例ですが、応量器を皆さんに見て頂きたく思い立ちました。以下、案内状の文章原稿です。

先日、福井県鯖江・河和田塗の塗師(ぬし)中野知昭さんの個展を見る機会がありました。会場に並ぶ130点程の作品のうち、私の目にとまったのが新作の「応量器」です。これは曹洞宗の修行僧が、托鉢や食事の際に用いる六ヶ(今回は五ヶ)一組の入れ子になった漆器の呼称です。器としては厳しくも美しいもので、作り手としての中野さんがこれを見て、自分の手で作ってみたくなる気持ちはわかる気がします。ロクロで挽き上げた器として、手を加える余地のない究極の形。その反面、自らの仕事全体を厳しく問う“破邪の鏡”にもなりうる訳で、誠実な作り手にとっては“針のむしろ”でしょう。中野さんは、今回のっぴきならない選択をしたのだと思います。他に新作として、弁当箱にうってつけの角や丸の小重。隅丸の角膳など、併せて120点程を御覧に入れます。どうぞお出掛け下さい。

0 件のコメント: