2017年3月22日水曜日

「第2回 暮らしの中の一枚の絵 展」のお知らせ

来月8日(土)から16日(日)まで、様々な絵画や版画を集めて2回目の「暮らしの中の一枚の絵」展を開催します。主な出品作家は、芹沢銈介や柚木沙弥郎またR • ゴーマン等になります。以下は、案内状の文章原稿と主な出品作品の紹介です。

中央小品は芹沢銈介、左二枚は
R•ゴーマンの油彩小品、右の二枚は
柚木沙弥郎で上はプリント生地の
原画、下は“たすき紋”のリトグラフ
柚木沙弥郎「旅の歓び」原画と表紙文字型染め原画
柚木沙弥郎の型染めポスターや
「宮沢賢治遠景」原画を元にした柚木プリント
新しい催事を企画する時に腐心するのは、その内容を上手くすくい上げて言葉に置き換える事です。個人の作り手の展観ででもあればともかく、様々な作品を用意した上での間口の広い催事ともなると、その難しさは格別です。今回も悩みに悩んだ末、以前、浦和の柳沢画廊と関係のある複数の描き手の展観の際に付けた催事のタイトル「暮らしの中の一枚の絵」を使う事にしました。さて、今展ではここ1•2年の間に手元に集まった絵画や版画40点余、芹沢銈介の型染絵あるいは「宮沢賢治遠景(用美社)」原画を元にした柚木プリント、同じく「旅の歓び(用美社)」原画数点、および「旅の歓び」の表紙文字型染原画や「少年民藝館(用美社)」表紙型染原画、また柚木プリント生地原画、そしてR•ゴーマンの油彩や水彩の小品、更に印度ムガール朝時代のミニアチュールや「古星辰図(部分)」等を用意しました。どうぞお出掛けの上ご覧下さい。

2017年3月2日木曜日

忘れられないもの23 出西窯の仕事二種


出雲の出西窯(しゅっさいがま)と云えば、「民藝の世界」ではたいそう有名な窯です。戦後間もない1947年、当時20歳前後の農家の次男•三男五人が集まり、焼物の伝統が全くない土地で創業。
そうするうち、河井寛次郎、濱田庄司、バーナード•リーチ、柳宗悦など「民藝の世界」の(創業者メンバー•多々納弘光さんの仰る)御師匠樣方と縁が出来て、運営の形も当初は「企業組合」(現在は株式会社)として、現在につながる食器中心の仕事を主にする新しい民窯が誕生する訳です。

さて、その「出西窯」を私が初めてお訪ねしたのがいつ頃だったのか、もう一つはっきりしません。ただ鮮明に印象に残る訪問の記憶が二つ。一つ目は訪問時、最初に私の相手をして下さったのが、創業者五人の内の御一人で今も御元気な(筈の)多々納良夫(ただのよしお)さんであった事。そして、その日の私の買い物が、焼物の底に何処かの学校か組合の名前が釘彫りで書かれた(記念品の残りの)マグカップであった事で、この一つ目の「出西窯」訪問の記憶が正しければ、私の「倉敷民藝館」臨時職員時代の二年目か三年目で、外村吉之介(とのむらきちのすけ)先生に、あちこち見て来る様に云われた二ヶ所目(一ヶ所目は前年夏の徳島県の山間地での「阿波踊り」でした)だった筈です。だとすれば、それは’73年か’74年で、いまから43•4年前の事になります。

しかし、同時に二つ目の忘れられない「出西窯」訪問の記憶があるのです。それは、松江にたくさん雪が降った日、同市在住の金津滋(かなつしげる)さん(お茶人で、出西窯が、と云うよりこれも創業者の御一人、多々納弘光(ただのひろみつ)さんが、柳初期の論考「私の念願」を通して柳宗悦に出会う切っ掛けを作った人と申し上げておきましょう、当時すでに後述の大阪日本民藝館の陳列もやっていらっしゃいました)の御宅をお訪ねし、そこで苗代川(なえしろがわ)焼の黒釉の筒湯呑に、生姜を擂り下ろしたたっぷりで熱々の甘酒を御馳走になった事。その後、(多少前後関係が怪しいですが)お茶のお弟子の御一人がやっておられる料理旅館に泊めて頂いた事。その翌日に車を出して頂いて、松江の「神魂(かもす)神社」や「出西窯」に連れて行って頂いた事。この時の私の買い物が黒釉の縁付八寸皿であった事。並んでいる同種のもののうちどれが良いかわからず、金津さんに選んで頂いた事、等々。これが初めてであったとすれば、更に1•2年あとの事で、金津さんの御友人で、当時、大阪日本民藝館の主事をやっておられた鈴木尚夫(すずきひさお)さんに声を掛けられて、大阪日本民藝館の陳列替えの手伝いを始めていた頃の事になります。


さて、今日皆さんに御紹介するそんな出西窯の仕事二種は、どちらも40年以上前の仕事です。最初は引刷毛目の灰釉大皿(径 50cm  高さ 12cm) で最近の出西窯の仕事にはあまり見る事の出来ない調子の強い堂々とした優品、


次は刷毛目の茶碗でまことに程の良い大きさ、釉薬の調子も上々の佳品です。(径 14cm  高さ 7cm)


2017年2月18日土曜日

第1回「木村葉子個展」始まります

2月18日が初日の「木村葉子個展」の準備が出来ました。当初予定していた作品数のおよそ2倍の100点前後の作品が賑やかに並びました。まずは各種作品を御紹介します。どうぞお出掛け下さい。

一階ノゾキ
一、二階の踊り場に下がる
鯉のぼり(特大)四匹 各16200円
二階正面、奥に掛かる
鯉のぼり(特大) 四匹
階段の壁に掛かる指人形と
鯉のぼり(小) 2160円
鯉のぼり(大)2700円
雛人形各種
雛人形(特大) 10800円
雛人形(大) 8640円
雛人形(小) 6480円
雛人形(大) 8640円
軍手を使った人形やブローチ
手織りの毛織生地を使った人形

2017年2月6日月曜日

「第1回 木村葉子個展」のお知らせ


2月18日(土)から26日(日)まで、ー 布と陶土による造型の試み ーと題して「木村葉子個展」を行います。
2014年4月に、木村ペケ、斉藤ひさ子のお二人と「三人展」をやって頂いて以来で、初の個展です。前回の軍手人形に加えて、今回は型染めによる「鯉のぼり」や陶土を使った「雛人形」を形にしてもらいました。どうぞお出掛け下さい。

型染めによる鯉のぼり
軍手を頭に使った指人形
陶土による雛人形
軍手による造型

2017年2月5日日曜日

あった事会った人 14

前回の「あった事会った人13」を書いて、はや九ヶ月。大方の事は「あまねや通信」にもれなく書いているつもりですが、書ききれなかった事、記録から漏れている事を中心に、ここ半年分の事をお知らせします。昨年10月の「日常展」から、11年ぶりで行った「R • ゴーマン展」あたりから始まりです。

「日常展」初日。彫刻家•熊井和彦さんの居合いの
若い弟子ルカ•ストラディヴァリが来店。かの
ヴァイオリン制作者の家の9代目だとか
柳沢さん、リチャードと記念写真
ゴーマン展最終日。熊井さんとイタリア人の
居合いのお弟子二人が来店。居合わせた人達で
ゴーマン展のクロージングパーティーに
松形展パーティー参加者
ゴーマン展後、出掛けた東京で
見た舩木研志作品と京都の秋景
「松形•京都展」展示の様子
「松形展」展示後、夜遅く琵琶湖湖畔のホテルに移動。
翌15日朝、縁者の法要(百回忌)参加の為に比叡山へ
昭和6年操業開始の、日本で一番長い(約2•5km)
ケーブルカーに乗って「坂本駅」から比叡山山頂へ。
狭いトンネルをくぐり、急坂をゴトゴト上って
眼下に琵琶湖を臨み
途中、下りのケーブルカーとすれ違い
上り詰めた山頂は雪景色!
工藝の愉しみ • 師走展」出品作
ルーマニアのガラス絵のイコン
今年の我家のしめ飾り
年が明けてすぐに、古い友人のライブ演奏会に参加
苗代川の片口
1月21日、一年振りで友人のやっている寿司屋へ

2017年1月23日月曜日

忘れられないもの 22 一人用の食卓(膳)三種


新しい年を迎えるにあたり、皆様方のこの一年の御多幸をお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、これを読んで下さっている皆様方は、新年の食卓をご家族で囲み雑煮を祝う方々が大勢いらっしゃると思います。ただ、現在の暮らしは以前に比べて、大きな食卓を家族皆で囲み朝食や夕食を摂る、そんな場面がずいぶん少なくなっている様に思いますが、如何でしょうか?
そこで、家族関係の融和を計り改善に役立てるべく、厚生労働省によって新しく考案された、家族数人で囲む「独り用の小さな食卓」三種が今回御紹介する品なのです(と云うのは冗談です)。
さて、この三種の一人用の食卓(膳)ですが、


最初に御紹介するのは松材で作られた韓国の羅州盆((高さ27cm 径46cm)です。韓国の歴史ドラマを見ていますと、これに甕器の小鉢や徳利が載せられて、酒や食事を楽しんでいる場面が出て来たりします。他に欅を材料に使ったものもあります。


次は、藤と竹(構造に関わる部分は籐で、テーブルの面にあたる部分が竹)で作られたタイのラフテーブル(高さ23cm 径43cm)です。タイの少数民族ラフ族の手になる事から、そう呼ばれている様です。当店では、催事の際の花台によく使います。カントクテーブルとも呼ばれます。日本で使うちゃぶ台位の数人で使う大きなものもあります。


最後はインドネシア•ロンボク島産の木彫でデュラン(高さ20cm 径40cm)と呼ばれるものです(このデュランの用途は供物台かも知れません、あしからず)。これにも二廻りほど大きなものがあります。材料はフタバガキ科(ラワン材の様な)の木材だと思われます。
以上、作り方も材料も違うこれら三種の小さな食卓(膳)に共通するのは、椅子を使わず床に直に腰を下ろして、これらの食卓を自分の前に置いて食事をする事で、これらの道具が産み出されたそれぞれの国の文化や生活習慣が反映されたものになっている事、言い換えれば、そこにそれら道具類の国籍がきちんと刻されている事です。しかし国籍の違いを越えて、この三種の食卓(膳)の寸法が比較的近いものになっているのも興味深い事です。