2014年6月30日月曜日

第4回 村松学吹きガラス展のお知らせ


7月初めから8月半ばに掛けて、4回目になる“村松学(むらまつまなぶ)吹きガラス展”を福岡と八女で行います。新作を含め70種、約300点の展示です。福岡 • あまねや工藝店は7月5日(土)から20日(日)まで(会期中の月曜日7日と14日は休み)、八女 • 朝日屋酒店は7月26日(土)から8月15日(金)まで(会期中の日曜日7月27日は休み、8月3日と10日は午前9時から午後6時まで)です。お問い合わせはあまねや工藝店(092-526-0662)、朝日屋酒店(0943-23-0924)迄。

村松学と西川孝次。この二人の吹きガラスの作り手の作品を交互に、梅雨時から夏に掛けての約一月半程の時期を選び、福岡と八女の二カ所で見て頂く様になってから、早いもので四回目です。この二人、同じ広島県の東(福山市•村松)と西(三原市•西川)で仕事をしていますが、仕事ぶりや作行きはまことに対照的です。村松さんは、自宅から少し離れた処に工房を持ち、いったん窯に火を入れたら、ある数を吹き終えるまでは何日も火を落とさず、食事以外は工房に泊まり込みで仕事をし、たくさんの数を吹く事で見事にサイズの揃った端正な姿の作品を作ります。一方、西川さんは自宅に隣接した工房の窯に毎朝、火を入れて温度が上がるのを待って仕事を始め、吹き竿の先から生まれた様な姿の作品を決めた数だけ吹き終えると、火を落として風呂に入り、街に飲みに出たりして次の日に備える、と云った具合です。良い悪いでなく、この二人の暮らしぶりの違いがそのまま仕事に現れているのが、私には興味深いところです。今年は新作を含め、村松さんの諸作が並びます。どうぞお出掛けください。


2014年6月22日日曜日

大澤展のお客様あれこれ

奥に自作の染布スカート姿の大澤さん
オープニングパーティー代わりに居合わせた人達で乾杯
今回の大澤展には、普段ならお見えにならない様な御客様がたくさん来て下さいました。そのうちの幾人かをご紹介いたしましょう。
まずは、今展の手伝いをして下さった行橋市在住のKさんを始め、大澤さんの教え子の方々。三十代から六十代までと幅広く、大澤さんの長い教職員生活を物語っている様です。沖縄から一家四人で来て下さったA(苗字の読みが分からず仮に)さん、その御友人で大澤さんの助手を務めておられた太宰府市にお住まいのYさん、大澤展の少し前に京都から福岡に移って来たばかりだと仰っていたFさん、同じく福岡在住のTさん、新潟県の長岡から飛んで来て下さったTaさん。皆さんに話を伺うと、大澤さん二十代から六十代までの教え子と云う事になります。他に、女子美時代の同窓生だったMさん、Fさんなど。

面白かったのは、今回の大澤さんと同じ宿に泊まり合わせた方々の顔ぶれで、御一人は“奇跡のリンゴ”で有名な木村秋則さんの自然栽培をを九州に広める運動「九州一つの会」をやっているSさん(女性)。
そして、もう御一人は伝統工法で建てられた民家の耐震工法を新しく工夫、築100年前後の民家の空間の質を保ちつつ改修、保存を計る為のネットワークづくりを進めていると仰る大阪在住の建築事務所経営のTさん(男性)です。御二人とも、別々の日に宿の食堂で大澤さんと同席。話が弾んで、Sさんは一泊の予定を繰り延べて会場に来て下さったり、Tさんは一緒に泊まった元御同僚とタクシーで来て頂いたり、と云う具合でした。そして、さらに面白かったのは、当店のお客様NさんとSさんが大学時代の同窓生(偶然に同じ時間帯に来合わせて)である事が分かったり、旧知の建築士•京都在住のK君が結婚した相手の女性Uさんの元の勤め先が、かつてTさんが勤めておられた建築事務所(坂倉準三建築事務所)、つまり元同僚、である事が分かったりと、ここでも皆さんと何か不思議な御縁を感じました。

2014年6月12日木曜日

大澤美樹子染布作品紹介 その2

本展への来訪者で目立つのは、遠くから来て下さる方々が多い事です。先の日曜日は、沖縄から一家四人で来て下さる方があるかと思えば、昨日は新潟県長岡市からの方がある、と云う具合です。いずれも大澤さんの教え子と云う共通点はあるものの、ここまで来て下さるそのお気持ちがすごいですね。さて、先に御紹介した大澤作品のスカートに続き、注染布や型染布また型紙捺染布等、主にスカートに出来る作品を紹介いたします。作品によって、スカートに出来る用尺が異なります。ご希望があれば、お問い合わせ下さい。

良い眺め(型紙捺染)。BかC型
ひかり(型紙捺染)。AかB型
同心(型紙捺染)。B型
円の重なり(型紙捺染)。AかB型
同一律(型染)。1/2か全作としてのみ販売
音とリズム(型染)。B型
こもれび色(型染)。BかC型
大きい水玉(注染)。C型
花期(注染)。AかB型
はなびら(型染)。C型
草風(注染)。メーター売りのみ
緑•みどり(型染)。全作かA型
遠景(型紙捺染)。メーター売りかA型
そら•夜に向かう(注染)。1/2か全作、別布でA型
赤•菱と円(型染)A型
ノートブック(注染)。C型
環(注染)。BかC型

2014年6月11日水曜日

大澤美樹子染布作品紹介 その1

大澤展の会期もほぼ半ば。初日 • 二日目の二日間だけで、50人程の方々にお出で頂き感謝しています。遅くなりましたが、大澤作品のスカートを紹介いたしましょう。スカートはABC三つの型があり、作者である大澤さんに合わせた丈とウェストの寸法(70cm)に作ってあります。また、それぞれの型によって、必要な用尺や工夫も違います。
A型は巻きスカート風タイトスカートで、ウェスト部分で20cm程布が重なっているので、巻きスカートの様な見え方になっています。
上から25cm位までスリットが切ってあり、残りは縫ってあるので、はだける事がありません。そして、ウェストの内側にフック一つとスナップ二つないし三つが付けてあり、そのフック、スナップの位置を動かす事によって容易にウェスト丈を10cm程大きく出来ます。
また、B型二段ギャザースカート、C型両脇リボンは、二つ共にウェスト部分に二本の紐を使っているので、閉めたり緩めたりが簡単に出来る様になっています。ですから、妊娠中でお腹の大きな方にも使って頂ける位、サイズが大きくなります。染布作品は次回に。

スカートA型 
スカートB型
スカートC型。左右のリボンを前で結ぶと
右側のループに左のリボンを通して
左右両方のループに、それぞれ
リボンを通すとタイトスカート風
左右のリボンを解いた状態

2014年6月7日土曜日

大澤美樹子染 • 布展2014福岡展始まりです

本日6月7日、いよいよ大澤美樹子染 • 布展2014が始まります。6日金曜日も大澤さんに来て頂き、最後に残った名札書きを始め細々とした仕事をやって頂いて大沢展の準備が整いました。華やか、かつ見た目の納まりも見事に出来ました。皆様どうぞお出掛けください。
夜の様子、二階も華やかです

のぞきのスカート生地
階段下のスカート生地二種
正面にスカート八種、手前には染布各種
窓辺にも染布やノート類
姿見の奥に中幅麻染布
染めのカード類六種
ベランダ外の夏椿も花をつけ始めました

2014年6月6日金曜日

大澤美樹子染•布展2014福岡展 準備

本日5日昼過ぎ、染 • 布展開催準備手伝いのため、東京から大澤さんが来福。その前に、行橋から来てくれたKさんと3人(実質私は何も出来ませんけれども、口だけの参加です)で、物並べをいたしました。
染布のスカート12点に加え、スカートに出来る注染や型染の広幅•中幅の布二十点近く(メーター売りです)を、下げたりギャザーをとって掛けたりして、店の2階が一挙に華やぎました。
明日は、仕上げの展示をして準備完了です。お出掛けください。

正面に8点のスカート
あちこちにスカートに出来る生地が下がり
生地は薄手の麻から木綿まで様々
階段正面はギャザーを寄せたスカート生地
窓辺には染布を張り込んだノート
二階中央には、これもスカートに出来る生地各種

2014年6月2日月曜日

大澤美樹子染•布展2014福岡展開催のお知らせ

今月7日(土)から15日(日)までの予定で、染色家で東京女子美術大学名誉教授•大澤美樹子さんの、当店では10年ぶりになる個展を開催いたします。大阪•東京に引き続き三カ所目の開催になり、“動く布 • スカート”と云うサブタイトルが与えられています。
この個展の為に染められた型染布や注染布と三種の形のスカートをご用意し、選んで頂いた形に必要な用尺の染布を切ってスカートを作る、セミオーダー方式です。大澤美樹子さんは7日と8日、在廊の予定です。以下、個展の為のチラシと案内状の原稿です。


このたび、染色家で女子美術大学名誉教授•大澤美樹子さんの染布作品を、大阪•東京•福岡の三つの会場で、皆様に見ていただく事になりました。大澤さんにとっては、一昨年春の大学御退官後、初めての個展です。そして、今回は一人の作り手の作品が数ヶ所の会場を巡回する通常の個展と違い、異なった持ち味の三会場それぞれの展示空間に合わせた作品を大澤さんが制作し、それを皆さんにお目にかけようと云うものです。大阪会場のギャラリー•アカンサスは、オーナーが住み暮らす生活と共にある空間、東京会場は著名なアメリカ人建築家 F•ロイド•ライトの設計になる自由学園•明日館、そして福岡は、戦後すぐに建てられた木造二階建てを店舗に改装したあまねや工藝店、と三ヶ所それぞれに大きさも空間の雰囲気も異なる会場を使い、型染布の表現の可能性を、日々の生活の布(大阪)•空間を飾る布(東京)•動く布•スカート(福岡)、の三つの切り口に託して探ろうと云う、まことに意欲的な試みです。

ところで、大澤美樹子さんの当店主催の福岡初個展は1992年の初夏の頃で、福岡市中心部のあるギャラリーを1週間借りて行われました。ギャラリーのファサードは全面ガラス、内部は白く塗られた天井高5mで20坪(66㎡)程の会場空間に、杣野工房•林栄一の松材の家具を配し、岩井窯•山本教行の焼物を並べた中に、彩りも美しい型染布が幾巾も下げられているかと思えば、ここかしこに銅板のマスクをかぶったベニヤ板製のマネキンが型染布をまとって佇み、ギャラリー内には友人の作曲家•清野謙三が作曲した”大澤美樹子個展の為の音楽”が静かに流れていると云った具合で、一人の作家の個展としては、意を尽くした素晴らしいものでした。20年以上が過ぎた今でも忘れられない展観の一つです。

その個展の際、会場の様子以外で印象に残っているのは、大澤さんが個展会場在廊中いつも身に着けておられたスカートです。同じパターン(型)で細かい柄の色違いのもの数枚を、かわるがわる御召しになっていて、なんとおしゃれな人だろう、と感心したのです。そんな経緯もあって、今回の福岡会場の為の作品が、”動く布•スカート”であると聞かされた時の嬉しさが如何ばかりのものであったか、ご想像下さい。ただ、唯一残念なのは、私自身それを身に着けて楽しむ事が出来ない事ですが、これは会場で試着なさるお客様の姿を見せて頂くだけで満足する事にいたしましょう。前回の個展から数えて10年ぶりになる「大澤美樹子 染•布展 2014 福岡展」への皆様のお越しを御待ち申し上げます。