2011年8月14日日曜日

鹿児島・宮崎へ






秋に八女と福岡で行う予定の「十八番の会」準備を兼ねて、先週の月曜日から3日間、鹿児島・宮崎の二人の作り手の方々を、それぞれの仕事場にお訪ねしました。鹿児島・大口在の川野恭和(かわのみちかず)さんは、九州では数少ない国画会・工藝部会員の一人として、先の「国展・福岡展」開催に尽力。瀧田項一(たきたこういち)門下の一人で、弟子入りから40年近く磁器の仕事を続けて来た作家です。
また、宮崎・国富町三名在の松形恭知(まつかたきみとも)さんは国画会・工藝部準会員として、ここ10年程、活発に各種公募展に応募。入賞、入選を続けている作り手です。
驚くのはその経歴で、つい先頃まで30年間教師として、関東圏の中学に奉職。教職をこなしながら、陶芸に関する知識や技術を自らのものにしてしまう努力の人です。ただ、高校生の頃から近所の伊勢丹デパートで開催されていた草泥社の展覧会等を見ていたと云う人ですから、眼筋の良い人なのでしょう。きちんと成形され、清潔な感じを与える品を作り出す力を持った人です。

さて、大口の川野さんをお訪ねするのは、かれこれ25年ぶりです。記憶にある工房の佇まいよりも棟が増えており、そんな棟のひとつ作品展示室隣の8畳の部屋に、今回の旅に同行した長男と二人で泊めて頂きました。午後早めに到着した事も有り、近在の「曽木の滝」や、明治時代の発電所跡などに連れて行って頂いた後、近くの温泉へ。
良い気持ちのまま、母屋で自家製の野菜料理や季節の鰹など、奥様のお手料理をたくさん御馳走になりました。今回、川野さん・松形さんをお訪ねするについて、私の乏しいコレクションの中から、お二人に見て頂きたいものを車に積み持参しています。その中の、ベトナム製で磁器の型モノの食器(機械ロクロを使ったものとの事)を川野さんに見てもらいながら、磁器の仕事のあれこれを川野さんと話すのが、この旅のそもそもの目的なのです。

段ボール三箱分の陶磁器を次々に開けながら、私の考える食器の有り様を作り手の立場にある人と話す楽しさ。仲立ちとして眼の前に品物があるので、話が抽象的にならずわかりやすく、お尋ねもしやすいのが良いところです。そんなこんなで、あっという間に時が経ち、12時を過ぎて床に入りました。翌朝、早めの食事の後「十曽(じゅっそう)」と呼ばれる地域の人工湖へ連れて行って頂いた後、仕事を手伝い始めた御長男とお話をしたり、登り窯や仕事場を見せて頂いた後、催事撮影用の品を選びお別れしました。その後、宮崎県国富町在の松形さんの仕事場へと向かい、同じ様に持参の陶磁器あれこれを見て頂いたり、撮影用の品を選んだ後、その日泊めて頂く事になっている宮崎市内のEさんの御宅に向かいました。

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