2013年5月28日火曜日

あった事会った人 その3

昨日、例年より10日程早く梅雨入りが発表されました。今日は弱い雨が降っています。好天が続きゴールデンウィークから始まった5月も、あと数日で終わり。4月・5月と催事が続いた為、いろんな事がありました。すでにご紹介した事以外の出来事を書いてみます。4月6日始まりの「西川展」初日の夜、来合わせた数人の人を誘って2階で、ささやかなオープニングパーティーをいたしました。予定にはないパーティーの為、お酒も肴も貧弱ではありましたが、愉しく過ごす事が出来ました。こんな時、西川孝次さんの声はひときわ大きくなります。ご機嫌な証拠です。4月の末から5月あたまに掛けての事は、それぞれ「愉しい休日」と「トウオガタマの匂う日」の中で書きました。

5月18日の夜、イギリス湖水地方に住む静子・ヒューズさんとスカイプで話しました。昨年末から今年初めに掛けての来日時にはお会い出来ませんでしたから、約2年ぶりの会話になります。主には、それぞれの近況報告ですが、お互い年齢相応に家の中が片付かない事や、昨年出版された夫君のE・ヒューズ氏の作品集に納めてある対談の日本語訳を、別冊として出版したい希望を持っている事、また日本と英国の社会保障制度の違いなどもあり、これから先の時間の経過の中で、どちらを終の住処にするか、決めかねている事などを、1時間近く話しました。不思議な魅力のある人で、愉しい時間でした。

後ろの青銅製の毘沙門天が、かつての芦屋鋳物師の仕事
中央に下がるのはHさんの仕事の一つ、愛の鐘だそうです

中に”愛”の一文字が鋳造されています
ちょっとオーストラリアを思わせる海岸からの風景

さて、 ラオス展終了直後の21日、変形して歩きにくくなった右足首診察のため粕谷新光園へ。ここは肢体不自由児施設で、整形外科の専門病院です。私自身も54年前の夏から半年間、手術・入院をしたところです。一時間程で診察が終わり、その後、病院から30分程の距離にある遠賀郡芦屋町の「芦屋・釜の里」へ。道中は薄紫色の小さな花を付けている栴檀(せんだん)の並木が続き、仄かな芳香も漂っていて、実に気持ちの良いドライブが出来ました。さて、「芦屋・釜の里」は、ここ数年当店のお客様としてお付き合いのある、現代の芦屋鋳物師(あしやいもじ)になるべく修行中のHさんがいる処です。待ち合わせ場所のチャンポン屋で昼食後、まずかつての芦屋鋳物師の仕事が見られると云う近くの高倉神社へ。大きな楠が立っていたりして、いかにも由緒のある神社に見えました。その後、私の希望で街中のスーパーに行き、地元の豆腐屋の豆腐や鐘ヶ崎で揚がった魚等を求めてから、「芦屋・釜の里」に向かいました。3000坪の敷地に数棟の木造家屋がコの字型に並び、そのコの字の奥に建つ一棟がHさんの職場である鋳造工房です。事務職員の他、先日独立されたばかりの先輩鋳物師・御一人、専門学芸員を入れても十人に満たない小さな職場ですが、人間関係も含め真に良い環境です。穏やかなHさんの、これからの10年近い仕事の無事な進み行きを、願わずにはいられませんでした。

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