2012年5月5日土曜日

第15回 山本教行作陶展のお知らせ





来週の土曜日12日から行なわれる「第15回 山本教行作陶展」の御案内です。山本教行という名の一人の作り手を、30代から現在に至る30年の間、店の催事の柱として紹介し続けて来る事が出来たのは、私個人ならびに“あまねや工藝店”にとって真に幸いな事でした。
’84年の第1回展が、“あまねや工藝店”にとっては初めての個人作家と呼ばれる作り手の個展でしたし、作品を使った食事会(懐石料理)を始めたのもその時からでした。1回目の案内状は豪華で、写真は倉敷の写真家で旧知の故・中村昭夫氏、詞書は倉敷民藝館・初代館長の故・外村吉之介(とのむらきちのすけ)先生。あれもこれも初めて尽くしで、その内少しづつ山本ファンも増えて行き、あまねや工藝店にとって、文字通り、なくてはならない催事に成長しました。

最初は、料理担当のSさんが山に入って準備していた花生け用の花を、自宅の庭で育て、作り始めたのもこの頃からです。また、会期終了後にも大きな楽しみが待っており、残った作品を車に積んで岩美の山本教行邸をお訪ねすると、奥様の房江さんの美味しいお手料理と温泉でもてなして下さり、その暮らし振りや、食事を供される食卓上の(自作以外の工業製品を含む)多様な品々に驚いたり、教えられたりした事は限りがありません。山本さんの蒐集品も古い時代の諸国工藝品を始め、濱田・河井・リーチ等の諸作家の仕事、そして新しい仕事や現代美術に至る幅広い領域の表現に対する目配りによって、ある時期、あまねや工藝店にとっては行き先案内の表示板(誠に変な表現で恐縮ですが)の様な存在の人でした。さて、今回の新作群はクリーム色の白釉がたっぷりと掛けられた品々で、案内状で私は次の様に書きました。

1984年の第1回展から隔年開催を続け、数えて15回目になる“山本教行作陶展”の御案内をいたします。DM撮影用に送られて来た今回の新作群は、クリーム色の白釉が器体にたっぷりと掛けられた無地の品々です。これらの品はどれも、山本作品に共通する痩せた処が微塵もない恰幅の良いもので、均整のとれた人間の身体を見る様な気持ちの良い姿をしています。ところで、これらの作品が無地であるのは、作り手としての山本さんの“挑戦”であると同時に、長い陶歴に裏付けられた“自信”を示すものでもあって、それが見る側の私達にも嫌味なく伝わって来ます。もちろん、新作とは言うものの、ここ数年の試行錯誤の末に生み出されたものであり、本歌のスペインやオランダの白釉無地の仕事を踏まえながらも、自分の歌を唄い切っているのは見事です。ブラヴォー!!

今回は、初日12日(土)の夕刻から始まるパーティーで、山本夫人・房江さんのお料理を供する、食事処“花”から送られて来る食材と山本作品を使ったオープニングパーティーを企画しました。定員は15人です。参加のお申し込みは、あまねや工藝店(tel 092-526-0662 、
E-mailはamaneya@gmail.com)まで。
山本教行さんは12・13日在廊予定です。

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