2019年3月27日水曜日
第5回「 mon Sakata の服 展」のお知らせ
前回展以来、10年ぶり5回目になる「mon Sakata の服 展」のご案内です。春もの中心のニットやカットソーなど、どれにも袖を通してみたくなる服がたくさん並びます。どうぞお出掛け下さい。
あらかじめ一つお断りがございます。二階会場にお上がり頂く際に、一階で貴重品以外の手提げやコートなどを、係のものがお預かりいたします。どうぞご了承下さい。
2019年3月11日月曜日
忘れられないもの48(最終回)
或る日のあまねや工藝店
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店外から左右ののぞきを見る |
世に有るたくさんの(主に工藝領域の)品の中から、「選び」「並べ」「手渡す」事を自分の仕事にして四十年が過ぎようとしています。この私の仕事は、具体的な「もの」を仲立ちにしながら、「直(じか)にものを作る」仕事に比べると、そのものを示して他人(ひと)に「これが私の仕事です」とお話ししても俄(にわか)には判って頂きにくい、
そんな仕事です。まして、人に向かって「選び並べる事が私の表現(仕事)です」と言っても、恐らく怪訝な顔をされるか一笑に付されるかのどちらかでしょう。また、一般的な工藝店に比べれば、並んでいる品も工藝品のほか自転車から版画•絵画•楽器等まで、工藝の領域を超えて様々で、見様によっては節操のない大きく偏った店舗であるとも言えそうです。時にそんな自覚の様なものに促され、ご同業の店から東京•大阪のデパート辺りまで足を伸ばして、これまでに様々な処をお訪ねし拝見して来ました。
そんな仕事です。まして、人に向かって「選び並べる事が私の表現(仕事)です」と言っても、恐らく怪訝な顔をされるか一笑に付されるかのどちらかでしょう。また、一般的な工藝店に比べれば、並んでいる品も工藝品のほか自転車から版画•絵画•楽器等まで、工藝の領域を超えて様々で、見様によっては節操のない大きく偏った店舗であるとも言えそうです。時にそんな自覚の様なものに促され、ご同業の店から東京•大阪のデパート辺りまで足を伸ばして、これまでに様々な処をお訪ねし拝見して来ました。
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店内の様子 |
「良い店だな」と思った処が二つ。一つは45年以上も前、東京にいた学生時代に出入りしていた東京•浜松町に在った頃の「柳ショップ」。そしてもう一つは、仕事を始めてお付き合いが始まった盛岡•光原社本店の、市内中心部「北ホテル」一階にある、姉妹店「北の光原社」です。「柳ショップ」に私が通い始めた1970年代初め頃は、故柳宗理(やなぎむねみち)氏がまだ第三代日本民藝館館長就任前で、天井から下がる中国製の大きな籠に和紙を貼ったお手製の照明が違和感なく納まる店内に、工業デザイナーの同氏が自ら手掛けた品のほか、世界中の美しいデザインの品々を選び並べて売っていたのです。Chemex(ケメックス)のコーヒーメーカーやデンマークTOBEN(トーベン)社の牛皮かばんを、初めて見たのも買ったのもここです。
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店内左側のぞき裏のコーナー |
「北の光原社」は、コンクリート打ち放しのモダンな空間の店内に東北地方の手仕事を中心にした世界中の工藝品が美しく並べられていて、責任者である故及川隆二(おいかわりゅうじ)氏の「ものを選び並べる事」への、並々ならぬこだわりと意欲を感じました。二店共に取扱い商品の領域こそ違え、それぞれの店の要になる「もの選びの物差し」がはっきりしている処が素敵だと思いました。
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あまねや工藝店全景と入口 |
さて、今回お目にかける写真は、あまねや工藝店ホームページの海外版作成の為、2012年9月12日にスタジオ フィデルの藤田孝介氏に当店までお越し頂き、同氏が店の品々をあれこれ案配して並べ撮って下さったものです。すでに売れて今は店にないものもたくさん写っています。こうして記録され様々な品が並ぶ「或る日のあまねや工藝店」、私には忘れられない風景です。
2019年2月25日月曜日
第2回 Funny Figures 展のお知らせ
2014年以来5年ぶり、2回目の「Funny Figures 展」を3月2日(土)から10日(日)まで開催いたします。12時から19時まで。
木村葉子は前回の軍手人形から毛織物生地や染め布を材料にした動物やアクセサリーの他、陶製の動物や花をモチーフにした造型を、
斉藤ひさ子は前回と同じくソックドールのほか、布を材料にした新作の昆虫のアクセサリーを、それぞれ出品いたします。
以下はDMの文章原稿です。
木村葉子は前回の軍手人形から毛織物生地や染め布を材料にした動物やアクセサリーの他、陶製の動物や花をモチーフにした造型を、
斉藤ひさ子は前回と同じくソックドールのほか、布を材料にした新作の昆虫のアクセサリーを、それぞれ出品いたします。
以下はDMの文章原稿です。
ずいぶん昔、友人の一人がメキシコへ織物の勉強に行き、帰国後、滞在中に手に入れた抱き人形をお土産に貰った事があります。有り合わせの材料(リボンを付けた髪は黒い布で眼は緑色の糸)で、若い母親が幼い娘の為に作った様にも見えるその人形は、たどたどしく見える針運びが全く傷になっていない素敵なものでした。今展の木村葉子と斉藤ひさ子の造型は、それに比べれば、はるかに洗練され都会的です。しかし、それぞれの造型の中に作った人が重なる様な仕事は、現在まことに貴重だと言わなければなりません。その意味で、前回展の木村葉子の軍手を材料にした、 カッチーナ人形•うさぎ•わに•諸々のアクセサリーと、斉藤ひさ子による靴下人形( ソックドール)とボタンによるアクセサリーの展観は、私にとって嬉しいものでした。それから5年、今展は木村が友人の織物作家の毛織生地を材料に造型した様々な動物•アクセサリー•染め布を使ったパペットや人形のほか、陶による動物や花の造型を、斉藤は前回と同じく、一種心地良い脱力感のあるソックドール各種と新作の布による昆虫のアクセサリーなどをご覧頂きます。● 斉藤ひさ子は2日(土曜日)、木村葉子は3日(日曜日)7日(木曜日)9日(土曜日)10日(日曜日)、に在廊予定です。どうぞお出掛け下さい。
2019年2月19日火曜日
忘れられないもの47 雑用品ふたたび
私達の日々の暮らしに親しく交わり、それを支え助ける役割を担うのが「雑用品」や「雑具」と呼び慣わされて来た品々です。これまでこの欄で紹介出来ていない、概ねここ200年程の時間の中で造作された雑用品、主にアジア諸国、の諸作をお目にかけます。
最初は韓国李朝時代の品三種です。まず、薄板に朱漆仕上げの皮革を張った函(縦37cm 横61cm 高27cm)で、左右に持ち手正面に締まりの真鍮の金具が付いています。味わい良くきちんとした納まりの函ですが、これで窮屈な感じにならないのは李朝の品だからでしょうか。
次が石の硯(縦21cm 横12,5cm 高5cm)です。素っ頓狂なものですが、何とも言えず魅力的なものです。
三番目は、松材を刳り造形した大きな木鉢(縦44cm 横65cm 高12,5cm)です。野菜や穀物を入れて使います。
次は、中国の植木鉢(径28cm 高28cm)です。同類の薩摩の苗代川や韓国の甕器(おんぎ)に比べると、大陸特有の造型が持つ厳しさを感じます。昔、ホームセンターの園芸用品売り場で手に入れました。
次にフィリピンの椰子の殻で造形された鉢(径12cm 高9cm)で、表に細い筋が一面に刻されています。この用を兼ねた装飾で、自然のものである椰子殻が人の道具になりました。
それから、ルーマニアの水差し(径12cm 高22cm)です。旧拙蔵の英国13世紀のエプロンピッチャーによく似た雰囲気のもので、古格があり驚く程軽い作行きです。
次は大根おろしで、左は銅製のおろし金(縦24cm 横11cm)、右は石州辺りの瓦窯で作る平瓦を思わせるもの(縦22cm 横17cm)で、どちらものんびりした愉しい造形です。
次の色付きのオデン種の様に見える品はタイの石鹸(長さ32cm)です。香料がきつめで不細工な成形ですが、私が石鹸に好意を持ったのはこれが初めてです。
最後は40年程も前、初めて出掛けた有田の陶器市で手に入れた輸出用洋食器(左 径15,5cm 右 径18,5cm)です。写真では判りにくいですが、右の皿は特に李朝の焼物との血縁が透けて見える様な雰囲気を持っています。
2019年1月19日土曜日
第3回 原陽子個展のお知らせ
1月26日(土曜日)から2月10日(日曜日)まで、3回目になります原陽子の個展を開催いたします。実に10年ぶりです。今回は、大小のタブロー16点に加えて、3点の硝子絵そして40点の版画と多彩です。会期中の月曜日、1月28日と2月4日は休みます。開店は12時から19時。以下、DMとDMの文章原稿です。
J•S•バッハの残した膨大な作品のうちBWV988の作品番号を持つのが、カナダ人ピアニストG•グールドの演奏で特にその名を知られるようになった「ゴールドベルグ変奏曲」です。これは静かで平明な美しさを持つアリアから始まり、30の様々な変奏を経てまた最初のアリアに戻る、鍵盤楽器の為に書かれた作品です。原陽子個展のための紹介文に、畑違いのバッハの器楽曲を持ち出したのには訳があって、この「ゴールドベルグ変奏曲」の構成、最初のアリア(唄)から始まり様々な変奏を経て最初のアリアに戻る、が単に音楽領域の表現に止まらず一人の表現者の「表現の変遷」の有り様を、その構成に於いて見事に言い当てている様に思うからなのです。表現者とは、云ってみれば自らの内に一つの「唄」を見出し育てて行く人の事です。やがてはそこに戻る最初の「唄」を、時々に素材を代え色彩を変え構成を替えて歌ってみる、それがその時の「私の唄」(時分の唄)でしょう。こうやって紡がれた16枚のタブロー、40枚の版画、そして3枚の硝子絵。これが今展の原陽子の「唄」です。どうぞお出掛けの上ご覧下さい。● 26日初日作者在廊予定。夕刻より作者を囲んで、一品持ち寄りでオープニングパーティー開催。お申込みはあまねや工藝店 迄。
2019年1月6日日曜日
第2回「百冬の会」後期展始まりました
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