2016年4月14日木曜日

第6回「柴田雅章作陶展」作品紹介  2

今展出品の柴田作品紹介の2回目は花入れです。

焼締泥打花入
アネモネ
飴釉角花入
クリスマスローズ
白釉耳付花入
斑入紫陽花 • コデマリ
白釉刷毛目扁壺
黄花踊子草 • 白シモツケ
白釉扁壺
ヨウラクアナナス
呉須耳付花入
白シモツケ
飴釉徳利
白 • 黄山吹
飴釉水差
黄花踊子草
いっちん耳付花入
チューリップ • ブルーベリー
白釉耳付花入
カロライナジャスミン
飴釉水差
満天星 • 白シモツケ

2016年4月12日火曜日

第6回「柴田雅章作陶展」作品紹介 1

今展出品の「柴田作品」をご紹介します。1回目の今回はスリップウェア諸作の紹介です。これらスリップの諸作は、誠に「良い具合」の大きさです。それは、これら諸作の寸法が、おもには柴田家の毎日の食卓上で繰り返し使われながら決まった大きさだからで、手取りの重さも含め、まことに良く出来ています。手に取ってご覧下さい。


大きめの角鉢三種
中角鉢二種
(尺一寸程の)大皿
(八寸程の)中鉢
中皿三種
(四寸から五寸程の)皿五種
楕円鉢(皿)二種

2016年4月11日月曜日

築窯40周年記念
「第6回 柴田雅章作陶展」始まる

この数日、毎晩午前様で報告が遅れましたが、ひとまず無事に「第6回 柴田雅章作陶展」が始まりました。8日金曜日の午後2時半過ぎに、車に積んだ沢山の作品と一緒に柴田さん父子が到着。早速もの並べが始まって、午後7時30分頃には終了、初日を待ちました。初日夕方からのオープニングパーティーには15人ほどの方が来て下さり、Iさんの作る“即興演奏”の様な料理を盛り込んだ柴田作品の大きなスリップ皿を賞味しつつ、愉しい時間を過ごしました。 
一階のぞき
二階正面
大きな展示台上
窓際のポットや花器類
羅州盆上は酒器
吹き抜け壁のスリップ諸作
Iさんの料理
パーティーの様子

2016年3月21日月曜日

忘れられないもの 12 編組品六種 その2

福岡書芸院発行の冊子「たんえん」3月号掲載の記事、「 忘れられないもの 12  編組品六種 その2」をお届けします。

編組品六種

今回は先月に引き続き、編組品六種紹介の2回目として残りの三種をご紹介します。初めは、20年前に佐賀県武雄の籠屋で買った片口箕(かたくちみ)(縦70㎝ 横80㎝)です。農作業には欠かせない道具として、弥生時代以来の古い歴史を持つ農具です。ゴザ目編みにした樹皮(桜)と竹を、構造材と持ち手を兼ねて大きく撓(たわ)められた木の枝に、蔓でしっかりと留め付けて作られています。他に、木の薄板同士を蔓で箕の形に留めあわせたものや、韓国のもので杞柳に蔓を合わせたもの、また綯(な)ったわら縄で造形したもの等を見た事があります。北海道のアイヌの人達が使っていた「ムイ」と呼ばれるカツラやセンノキ等柔らかい木を刳り貫いて作られたものや、東北地方で「カバ箕」と呼ばれるヤマザクラの樹皮を使ったものがある(赤坂憲雄著「東西/南北考」)、との記述も見られます。


次は25年前に出掛けた、タイ北部の古都•チェンマイのスポーツ用品店で手に入れたセパタクロー(東南アジア一帯で盛んな、足を使うバレーボールに似た球技)に使用する、籐で作られたボール(径12㎝)です。仮に、このボールの上に人が乗ってもつぶれる事はなさそうな位、見るからにしっかり作られています。後に、セパタクローがアジア大会の公式競技に採用された際、TVで試合の模様を見る機会がありましたが、その時は、ボールそのものが黄色のプラスティック素材に様変わりしていました。競技に必要な程の材料が確保出来ない為か、もしくは、素材のばらつきをなくし競技に公正を期す、とでも云った理由なのでしょうか、いずれにしても、残念な事です。


最後は、前回のパシキン同様、2006年秋の「山本まつよ蒐集によるフィリピンの手仕事展」に出陳されたフィリピンの竹と籐を合わせて造形された円筒形の蓋付籠(径30㎝高さ33㎝)です。興味深いのは、筒状になっている身の部分の底をまず六角形で編み始め、上を丸形で納めて、最後は蓋の納まりと強度を考えて、竹をしっかり留め付けてある事で、道具としての籠自体の強度を上げる為の長い経験からたどり着いた工夫なのでしょう、頭が下がります。本体と蓋、そして籠の底にも漆(湿気や匂いあるいは室内で焚く煙防止でしょうか)がまんべんなく塗り籠められています。

2016年3月14日月曜日

 築窯40周年記念
「第6回 柴田雅章作陶展」のお知らせ


初日までには未だ少し間があるのですが、6回目になる「柴田雅章作陶展」のご案内です。今回は築窯40周年記念として福岡展終了後、初めて八女会場の「朝日屋酒店」に巡回いたします。会期は、福岡展が4月9日(土)から17日(日)の午前11時から午後7時迄で会期中は無休。また、八女展は4月23日(土)から5月5日(木)の午前10時から午後8時迄で、会期中の4月24日と5月1日の日曜日は休みです。初日9日の午後7時頃から作者を囲んで、一品持ち寄りのオープニングパーティーを開催。作り手と間近で話が出来る貴重な機会です。どうぞふるってご参加下さい。
お申し込みお問い合わせはあまねや工藝店、電話 092-526-0662かE-mail amaneya◎(アットマーク)gmail.comまで。作者在廊日は9日と10日(予定)です。以下は案内状の文章原稿です。

1989年の「第1回展」以来、おおよそ7年に一度のペース(ここ数回は隔年)で開催してきて、今回で6回目の個展になります。
昨年から今年に掛けてが、柴田雅章さんの築窯40周年の記念の年で、昨年9月に大阪•梅田の阪急デパート美術画廊で盛大な展観とお祝いの会が催され、たくさんの人で賑わいました。
参加者の年齢•職業も様々で、いわゆる著名士や偉い人(と呼ばれている人)達が見当たらない(もっとも私が知らないだけで、いらしたのかも知れませんが)のも、柴田さんらしく爽やかでした。
会場の美術画廊には、新作とともに、身の廻りに在って、日々この仁(ひと)の「喜びの種」となっているに違いない品々(イギリスのウィンザーチェアの祖型を思わせる大振りな椅子や、アフリカ•ピグミー族のタパなど)が飾られてあり、この作り手の生活信条とも言うべき河井寛次郎の言葉「暮らしが仕事 仕事が暮らし」が、見ている私達にもまっすぐ伝わって来る様な素敵な会でした。今展にどの様な作品が送られて来るのか楽しみです。皆様どうぞお出掛け下さい。

2016年2月15日月曜日

「森信也クロッキー展」会期延長のお知らせ


皆さんにお知らせしていた「森信也クロッキー展」の会期を一週間延長して、21日(日)までといたします。もう少したくさんの皆さんにご覧頂きたい為で、昨日店に来てくれた森信也さんとも相談し、延長を決めました。こんな良い(加減な)事が出来るのが、個人商店の良さで、同じく昨日店に来てくれた八女の朝日屋酒店•高橋さんにも、いかにも私らしい(そのいい加減さが)と、言われました。好評の作品集(クロッキーの動画2ポーズのDVD付き)も増刷を決めました。

2016年2月8日月曜日

忘れられないもの 11 編組品六種その1

福岡書芸院発行の冊子「たんえん」二月号に掲載の記事、「忘れられないもの11 編組品六種その1」をお届けします。


昨年の「たんえん」十一月号でご覧頂いた編組品六種を、これから二回にわたり個々の品のエピソードも交えて、皆さんに少し詳しくご紹介致します。初回に取り上げるのは、インドネシア「にわとり籠」、フィリピン「背負い籠」、中国「手提げ籠」、この持ち運びに関わる三つの仕事です。


まず初めはインドネシアの「にわとり籠」です。籠全体を材料のヤシの葉で大きく四つ目編に編みながら五角形に作り、上の二辺が合わさった処に、籐を交えて「持ち手」が作られています。また、その二辺は他の辺の一•五倍位の長さに作り、うち一辺に大きく開いた縦長の口が作られています。籠は大きさが数種類あり、今回ご紹介する一点は高さ56cm 巾65cm と一際大きく、この大きさから察するに、名前の由来となった“にわとり”ばかりでなく家鴨(あひる)など、大型の家禽もこれに押し込んで持ち運ぶのかもしれません。前•福岡民藝協会会長•野間吉夫氏の数回に渡るインドネシア行きで採集された品の一つ、夫人のふきさんから頂戴したものです。


次は、パシキンと呼ばれるフィリピンの「背負い籠」(高さ40cm 巾35cm)です。2006年、倉敷民藝館特別展示室で開催された「山本まつよ蒐集による フィリピンの手仕事展」に出陳された品の一つです。材料は東南アジアに広く自生する籐を使い、全体を網代編で仕上げています。籠の各処には、「背負う」という用途に対する細かい工夫が織り込まれていて、感心させられます。まず背負う場合の「負い紐」にあたる部分を見ると、肩に掛かる部分を筒状に丸く作って、肩への負担を和らげているのが目に入ります。一方、籠の底の部分は籠自体の強度の確保と地面に置いた時に転ばない様、竹を曲げ回して本体にしっかり取り付けられています。負い紐に手を入れて籠を背負ってみると、背負う事で負い紐が籠の蓋を押さえて、中のものが飛び出さない様に作られている事などは、具体的な形になったものを使いながら、折々に工夫され改良されて来た結果に違いありません。


最後にご紹介するのは四十数年前、初めて渡った香港の荒物屋で手に入れた籐の「手提げ籠」(高さ44cm 巾40cm)です。以前記事中で紹介した事のある倉敷のNさんに頼まれて渡った、初めての外国が香港だったのです。この時はこの籠の他に、棕櫚の手箒や小さめの持ち手が上に付いた大きな竹籠、黒い釉薬の掛かった型物の土鍋や土瓶、蓋物などを手に入れました。訪ねた店で暖めたコーラが出て来て驚いたり、道を尋ねたお礼にお金を渡そうとして(前もって、そうする様に言われていたのです)断られ、恥ずかしい思いをしたのもこの時の事です。外国の下町特有の匂いと喧噪。わくわくする様な数日間の香港滞在でした。最後に一つご報告。今回取り上げた三つの籠の底の大きさを試しに計ってみたところ、なんとこれがみな同じ750㎠なのです。不思議です。