2021年6月22日火曜日

作り手紹介2 村松学さんの事

「吹きガラス二人展」の作り手紹介の二人目は村松学さんです。 村松さんと縁ができたのは、2006年秋に倉敷民藝館特別展示室で行われた、当店主催の「 ー 山本まつよ収集による ー フィリピンの手仕事展」開催中の一日。どなたかの紹介で、自宅と工房のある福山から50ccのバイクに乗り、自作の仕事を持って倉敷民藝館を訪ねてくれました。その折に何をどう言ったのか憶えていませんが、村松さんの仕事に対する私の率直な感想が、村松さんには、殊の外、厳しいものであったようで、その後頂戴した手紙に「〜(私の感想に)ひどくへこみました。」と書いてありました。それでも、縁が切れる事なく隔年で催事を続け、今年の二人展へとつながっています。

村松さんは、同郷の師匠 舩木倭帆(ふなきしずほ)氏(島根県松江市出身)と同じ道筋(カガミクリスタルで仕事を覚え、後に舩木氏に10年師事)でガラスの世界に入った人です。辛抱強い人のように思います。仕事ぶりは、一旦工房のガラス炉に火を入れると、決まった数を吹き終えるまで炉の火を落とさず、食事以外は工房に泊まり込んで仕事をする、そんな人です。結果、たくさんの数を拭くので、吹きガラスの形が安定するメリットがあります。反面、下手をすると仕事が限りなく「工業製品」の見え方に近づく危険性もあり、今後の課題かもしれません。しかし、未だ積極的に新しい仕事にも挑戦する事が出来る 50代半ばです。良い仕事をして、私達を喜ばせて欲しいものです。

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