|
「唄う男」 インド カッチ 1984年 |
|
柳宗悦著「南無阿弥陀仏」 |
昨年9月から10月に掛けて、当店二階を会場に行いました「喜びのたね命のかて展」の第2回展を、今月20日から翌月の連休をはさんだ5月6日までの日程で、見て頂く事になりました。今展は初回展に出品されなかった、主に日本国内各地に取材 • 造型された柚木沙弥郎画集「旅の歓び」(1986年 用美社刊)の原画20点程に、工藝関係の書籍類を加えて皆様方にご覧頂くものです。
さて、「旅の歓び」画集中、上にご紹介した「唄う男」の型染め作品掲載ページ(47頁)には、前頁に柚木沙弥郎自身による以下の様な素敵な詞が付けられています。ご紹介してみましょう。
人形芝居の一家がやって来て木陰に舞台を掛けた. おやじが呼子を鳴らしながら台の上で人形を使い, 家内は地面にしゃがんで唄い, そばで息子が太鼓をたたく. 夕闇が一家を隠し, 舞台の人形ばかり精彩を放つ. 警官の呼子の様な笛が異和感あって気になる. ピッピ, ピッピ, ピッピッピ. ラクダの武人が斗い, 美姫が舞う. 今やドラマの絶好調. 空を飛ぶなぞ, お茶の子さいさい, 跳んだりはねたり大きな目玉の人形たちの大活躍. 出番が終わればさっとおやじに釣り上げられる人形のはかなさいじらしさ.
ピッピ, ピッピッピ. 鳥のような虫のような, やっぱりあれは人形たちの鳴き声だった.