2017年5月1日月曜日

“ 大坪浩の鉛筆デッサン ” について

2階正面の様子、白雲木が入りました
「大坪浩遺作展」の二日目が終わりました。今回の「遺作展」で最も数が多いのは油彩で大小取り混ぜて約20点、他にドローイング • 鉛筆デッサンによる裸婦 • パステルによる裸婦が、それぞれ4〜6点、全体で40点ほどになりました。

鉛筆デッサンによる裸婦
このうち、鉛筆デッサンによる裸婦5点のうち4点が、左手によるもの(画面に左の書き込みあり)です。わざわざ利き腕の右でなく左を使う表現自体、絵を描く人達によくある事なのかどうか私にはわかりません。大坪さん御本人は、生前左手を使う理由を、ご家族には「右手を使うと描きすぎるから」と、答えておられたそうです。
一見、奇を衒った答の様にも聞こえますが、私の知る限りの大坪さんは「奇矯」からは最も遠いところにいた人です。それから推察するに、この左手を使う理由は自らの手を縛る事で、スケッチブックの紙の上に表現される「人体表現」をより真実な表現に近づける、その事に対する大坪さんの努力であり、また敬意でもあった様に私には思えてならないのです。

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