2010年10月4日月曜日

続・八女で見た夢






売るためには買わなければならない。しかし、売りたい物と売れる物は、残念ながら別のものであるし、売れる物が何なのか一向にわからない。こんな素人同然の人間が、仕事を続けて30年も経つと、売れずに残った物が少しづつ増え、それが店の中で一つの“風景”をつくる様になります。カクエイ流の「列島改造」でもしない限り、この風景を大きく変える事は不可能でしょう。では、私の「列島改造」とは何なのか?バーゲンセールをやって在庫品を一掃し、そこに“流行(はやり)もの”を持ち込んで大きく店の印象を変える事か、はたまた“カフェ”でもやって若い人達の気をひく事か。こんな自分に出来もしない事をだらだら書いていると、よけいに気が滅入って来るからよしましょう。

とはいえ、これはここ数年“厳しい現実”とキャッチボールをやりながら、ずっと私の頭に引っかかり続けている事なのです。町家を会場にした今度の“八女展”も、私にとっては仕事の間口を拡げる、大きな“可能性”の一つです。事前に考えた事はただ一つ、“明治村やディズニーランド”にはしない事。つまり、“ある情緒”に寄りかかり、それを利用して自らの商いに資する、これをやらないと云う事です。難しい事ですし、果たしてやりきれたかどうかわかりません。出来得れば一年に一度、私たちに残されている伝統的空間であるこの町家の中に、様々な工藝品を持ち込んで夫々の持つ魅力を引き立てあう様な“もの並べ”をしてみたい、今はこう思っています。

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