奥が信楽、左が佐賀•白石、右は産地不明の薬土瓶 |
信楽焼の大きな薬土瓶 |
鳥取県岩美町のクラフト館•岩井窯を主宰する山本教行さんに伺うと、岩井窯で現在作られている各種土鍋やミルク沸かしの材料である信楽の陶土もすでに底を付き、手元に保有する材料がなくなれば、否応無しに別の材料を探すかその仕事を辞めるかしかない、とのお話を伺った事があります。これは独り工藝の世界の問題のみならず、有限な材料や資源をどう守って次の時代につなげて行くのか、この責任に対する地球的自覚(大きな想像力)が私達一人一人に強く求められている、という事でもありましょう。「早い•安い•便利」の三つの戒めに、ギリギリと巻き締められている私達現代の人間にそれがどこまで可能か、また自分の場で何が出来得るか、それを考えながらその答えを探し続けるしか道はありません。
さて、今回ご紹介する三種の薬土瓶のうち、いちばん大きなものは信楽の薬土瓶で径が27cm(土瓶の口まで含む)、高さ17cm。次が、共手の焼締の薬土瓶で径が18cm(土瓶の口まで含む)、高さ20cm(共手まで含む)で、作られたのは中国地方の何処かで詳しい産地はわかりません。以上の二つは少し前の時代のものです。最後は佐賀県白石焼の薬土瓶二種のうち、小さな方で径が19cm(同じく口まで含む)、高さが11cm。この土瓶は、私が仕事を初めて間もない30年程前、窯元まで出掛けて買って来たものの一つです。
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