2026年6月21日日曜日

「子どもの本や」販売会のお知らせ




今週の金曜日26日と土曜日27日の二日間、南区長丘の「子どもの本や」の販売会をあまねや工藝店二階会場で開催いたします。2009年5月に第1回を開催して早17年。店主の井上良子さんとのお付き合いの年月(’83年以来)を考えれば決して長いとは言えませんが、ここ十数年、子ども達が当たり前の様に”携帯電話”を持つ様になってから、特に子ども達の”活字離れ”が進み、本を読む喜びを知らぬまま大きくなってしまう子ども達が増えている様に思います。SNSで流通する情報に無防備で危ない”闇バイト”に巻き込まれたり、と云うのもとても他人事とは思えません。そんな世の中の、乾いた砂漠に小さな雨粒を落とすほどの営みかもしれないと思いながら、ここ十数年続けて来た催事の一つが「子どもの本や」の販売会です。以下、初回の販売会の折に私が書いた催事案内文を再録してご紹介いたします。

言葉をたどりながら本を読む事は、人にとってかけがえのない喜びのひとつです。その事を通して、人は生きる事の"真実"に触れると同時に、それら様々な本の中に時代や文化の違いを越えて、悩み、苦しみ、また喜ぶ自分と同じ人間(友人)を見出して共感し、励まされて生きていけるのだと思います。

しかし、私たちの生きている“今”という時代の中で、子ども達がそんな大切な“本を読む喜び”を自分のものにする事は、決してやさしい事ではありません。ゲームや携帯電話の問題をはじめとして、学校の国語教科書の貧弱さ或は読書感想文コンクール(本を読む喜びや楽しみの対極にある“競い合い”の様な気がします)に於ける課題図書のお粗末さ、また大きさや数を誇る一方、子ども向けの本に関して適切な選択のなされていない大型書店や公共図書館など。これら貧しい環境の一体どこで、子ども達が自分にとって大切な一冊に出会えるというのでしょうか。30年前、若い父親であった私もまたそんな状況の中で途方に暮れる一人でした。

ただ私の場合、幸いな事にその数年前から東京で「子ども文庫の会」を主宰する山本まつよさんの知遇を得た事で、子の年齢に応じた適切な本とは何か(子供が本を読む喜びを自分のものにする上で、欠く事の出来ない道筋をたどる為のもの)を知る事が出来、その後自分にとって大事な作家となった「ムギと王さま」のE•ファージョン、「ともしびをかかげて」のR•サトクリフ、「やぎと少年」のI•B•シンガー、「指輪物語」のJ•R•R•トールキンの他、ドリトル先生シリーズのH•ロフティングや「ツバメ号とアマゾン号」のA•ランサム等と出会う事が出来たのです。

’81年に、あまねや工藝店の催事として「フィリピンの手仕事展」を開催した折、講演会の講師として山本まつよさんをお招きした事がきっかけになって、翌’82年8月6日から8日まで、第1回「子ども文庫の会」の“初級セミナー”を、福岡で開く事が出来ました。数年後、年3回に増えたそのセミナーに’83年から参加し、25年続いたセミナーの半分近くを世話人として支えて下さった井上良子さんが、「子どもの本や」という名の児童書専門店を開いて10年。季刊「子どもと本」に紹介されている本で絶版のもの以外は、ほとんど揃っている小さいけれど素敵な本屋さんです。ここもまた“厳しく選ぶ事で訪れる人の数が少ない”という矛盾(でなく道理かもしれませんね)から逃れる事は出来ていませんが、店主である井上さんの“喜び”が店の隅々まで行き届いている、そんな居心地の良い場所になっています。

そしてこのたび、あまねや工藝店の2階に「子どもの本や」の本を並べ、展示即売会を開く事になりました。時間期日は以下の通り。3日間とも井上さんが居て下さいます。どうぞ、お子様連れでお出掛け下さい。ただ、小さなスペースなので走り回らない事と、大事な本なので大切に扱う事、この二つは守って下さいね。

0 件のコメント: