2022年12月19日月曜日

第2回「歳迎えの会 」ー 無名に還る品々 ー

倉敷在住のMさんは今年90歳。私が’72年夏に「倉敷民藝館」の臨時職員としてお世話になった時は、学芸員職として同館に御奉職で、外村吉之介先生との関係で申し上げれば、兄弟子にあたる方です。 そのMさんから頂戴した今年の賀状に「年賀のご挨拶は今年まで」と書いてあった事もあり、まだ拝見していない「Mコレクション」拝見のつもりで、3月に倉敷の御宅をお訪ねしました。すると、客間の段ボール3箱を指して、これを整理したいが手伝って欲しい、との事。「喜んで!」と申し上げ、荷送りが出来る様に再梱包し直して、4箱の荷物を店宛に送る手筈を整えお別れしました。その後、5月に車と人手を用意して再訪。段ボール約30箱(陶器からガラス、郷土玩具、編組品まで)約600点の荷物を持ち帰りました。

その後、それらの清掃・スケッチ・伝票起こしなどを経て、そのMコレクションを中心に、今年入手した品も交え、年末から年始にかけて、2回目になる「歳迎え(としむかえ)の会」を開催する事に致しました。600点に上る「Mコレクション」の内、目に付くのは同世代である吹きガラスの小谷真三さんや、故 沖塩明樹氏の「みなと窯時代」の品々、或いは倉敷堤窯の故 武内晴二郎氏の型物の諸作や松江の舩木研児氏、会津若松の故 瀧田項一氏の白磁諸作など一時代を築いた作り手の仕事が主なものです。ただ、作者不明のものも数多くあり、Mさんにお尋ねしても分からないので「困った」と思いましたが、考えてみれば外村先生の御言葉「無名本然(むめいほんねん)」が指し示す通り、時が過ぎ品々が無名に還っていくのも良い、と思い直しました。

年内は24日から29日まで無休で営業。‘23年の年明けは1月7日から22日まで(Instagramやfacebookでは29日とお知らせしましたが、22日迄です。会期中の月曜・火曜は休み)、いずれも13時から19時まで、といたします。会期が長いので、定休日以外にお休みを頂戴するかもしれません。お出かけいただく場合、事前に「あまねや工藝店」電話(092-526-0662)かメール(amaneya◯gmail.com ◯を@に入れ替えて下さい)でご連絡をお願いします。

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