2022年11月26日土曜日

模様から見る「平山元康の仕事」

今回、催事初日の一日前から始めたInstagramで私をフォローしてくださる方の数が増えるにつれて、その方々が購入したり使ったりしていらっしゃる「食器」の写真を目にする事が多くなりました。印象的なのは、それら食器の面(おもて)に様々な意匠の「模様」が施されている事で、これを見る限り、作り手であれ使い手であれ、焼物の食器に意匠としての「模様を施す」或いは「それを選ぶ」、事がどんなに大事にされているかを物語っているかのようです。

振り返って、今展の平山さんの仕事を見ると、せいぜい花入に施された釘彫や鎬(しのぎ)、或いは湯呑みの一部に見られる掛分けや横一文字の指描き位で、大半は丹波の土と自前の雑木による灰釉(これが美しいのです)等の釉薬による「無地」の仕事です。平山さんと縁が出来た2009年の折の一作は、九寸程の皿に飴と白の釉薬を掛け分け、釉の境目に勢いのある指描きを施した清新な印象の品でした。 13年後の今展ではそれすら捨てて、敢えて無地の仕事を増やし「直球勝負」に出た、そんな印象を私は持ちました。

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