私達の日々の暮らしに親しく交わり、それを支え助ける役割を担うのが「雑用品」や「雑具」と呼び慣わされて来た品々です。これまでこの欄で紹介出来ていない、概ねここ200年程の時間の中で造作された雑用品、主にアジア諸国、の諸作をお目にかけます。
最初は韓国李朝時代の品三種です。まず、薄板に朱漆仕上げの皮革を張った函(縦37cm 横61cm 高27cm)で、左右に持ち手正面に締まりの真鍮の金具が付いています。味わい良くきちんとした納まりの函ですが、これで窮屈な感じにならないのは李朝の品だからでしょうか。
次が石の硯(縦21cm 横12,5cm 高5cm)です。素っ頓狂なものですが、何とも言えず魅力的なものです。
三番目は、松材を刳り造形した大きな木鉢(縦44cm 横65cm 高12,5cm)です。野菜や穀物を入れて使います。
次は、中国の植木鉢(径28cm 高28cm)です。同類の薩摩の苗代川や韓国の甕器(おんぎ)に比べると、大陸特有の造型が持つ厳しさを感じます。昔、ホームセンターの園芸用品売り場で手に入れました。
次にフィリピンの椰子の殻で造形された鉢(径12cm 高9cm)で、表に細い筋が一面に刻されています。この用を兼ねた装飾で、自然のものである椰子殻が人の道具になりました。
それから、ルーマニアの水差し(径12cm 高22cm)です。旧拙蔵の英国13世紀のエプロンピッチャーによく似た雰囲気のもので、古格があり驚く程軽い作行きです。
次は大根おろしで、左は銅製のおろし金(縦24cm 横11cm)、右は石州辺りの瓦窯で作る平瓦を思わせるもの(縦22cm 横17cm)で、どちらものんびりした愉しい造形です。
次の色付きのオデン種の様に見える品はタイの石鹸(長さ32cm)です。香料がきつめで不細工な成形ですが、私が石鹸に好意を持ったのはこれが初めてです。
最後は40年程も前、初めて出掛けた有田の陶器市で手に入れた輸出用洋食器(左 径15,5cm 右 径18,5cm)です。写真では判りにくいですが、右の皿は特に李朝の焼物との血縁が透けて見える様な雰囲気を持っています。
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