’84年の第1回展から数えて31年。今展まで隔年で個展を行い、
16回目を迎える「山本教行作陶展」のご案内です。第1回展は、あまねや工藝店を始めて5年目の1984年春の事で、「個人作家」と呼ばれる作り手の初めての個展でした。作家の初個展という事で大いに張り切って、開店当時に自作した棚(約2cmの厚みで30cm幅の米松の板を本棚状に構成したもの)を「山本展」向けに作り直す決心をして、初日の3週間前から作業を始めました。
難しい事は出来ないので、物入れを兼ねた上蓋式箱状の台(松材のフレームの間を杉の平板で埋めたもの)5台と、その上に2X10(ツーバイテン約3,5cmx23cm)の板の両端に6cm X3cmの板材を釘止めダボ穴仕上げしたもの、150cm 幅 120cm 高 で棚板3段のものを載せる、を4台作る事にしました。昼夜兼行で作業したもののついに出来上がらず、初日前日の展示作業の当日が来て、お弟子二人が運転する作品満載の軽ワゴン車が到着。そうこうする内に、山本教行さんも御到着になり、見兼ねてか(さぞご心配だったでしょう)、自ら金槌を手に釘打の作業をして下さり、新しい棚が何とか完成しました。
こうして、10坪程の店内に並ぶ出来たてホヤホヤの棚上に、おびただしい数の山本作品が無事に並んで、初日を迎える準備が整ったのでした。以下、案内状の文章です。
1984年5月に「第1回 山本教行作陶展」開催以来、本2015年まで16回の個展を重ね、なんとか無事に続けて来る事が出来ました。第1回展では、倉敷民藝館館長(当時)の外村吉之介先生に紹介文をお願いし、写真を「倉敷民藝館図録」撮影担当の写真家•中村昭夫さんに撮って頂くという贅沢さでした。ここ数年は、秋分の頃に八女•高橋宏邸で開催する「山本展」の新しい形を探る試み「山本教行+プラス展」のプレイベントなどが続いた事もあって、本来の個展の形(店の1•2階を空にしてそこに山本作品が並ぶ)である今展は3年振りになります。これから先の「山本展」を福岡と八女でどう続けて行くかについて、しばらく試行錯誤の日々が続きます。さて、写真でご覧の様に今展においても山本さんの新作“瑠璃釉金彩”の仕事の他、昨年も見せて頂いた灰釉丸紋皿、ここ数年意欲的に取り組んでいる象嵌や搔き落とし、そしてイッチンの仕事など、その良さ楽しさが見て下さる方どなたにでもよくわかる多彩な山本作品が並びます。皆様どうぞお出掛け下さい。
●9日夕方から一品持ち寄りでオープニングパーティーを開きます。お申し込みは、あまねや工藝店(電話092-526-0662または、E-mailでamaneyaアットマークgmail.com)迄。
山本教行さん在廊予定、9日•10日。