2015年12月31日木曜日

あった事会った人 12

今年最後のブログです。今年2月から始まった「せんきた工藝店」の仕事も含め、八女と福岡の催事で大わらわの一年でした。しかし、その分充実もしていましたし、色々なものを見る機会も増えて嬉しい一年になりました。皆様方もどうぞ良いお年をお迎え下さい。

11月初めの「中野個展」に於ける食事会
京都•せんきた工藝店に於けるパーティでの様子
パーティー参加者
12月初めの薮庭流花教室でのリース
「工藝の愉しみ•師走展」出品のグアテマラの民画
ラリーキルトやタイの木綿ショール

2015年12月25日金曜日

誕生日おめでとう

今日12月25日は、下の孫娘 • 実輪の6歳の誕生日です。続いて、27日が娘の35回目の、明けて2016年1月2日は上の孫娘 • 沙夜の8歳の誕生日。1週間程の間にDrew家の3人の誕生日が次々にやって来るのはまことに嬉しい事です。例年通り、3人の健康と幸いを願って、誕生日のケーキを作り、私ども夫婦二人で食し祝いました。みんなおめでとう!!!

クリスマスおめでとう!
実輪、お誕生日おめでとう!
いつき、お誕生日おめでとう!
沙夜、お誕生日おめでとう!
Drew家の新年が良い一年であります様に!

2015年12月17日木曜日

忘れられないもの 9(帚 ほうき 三種)

福岡書芸院発行の冊子「たんえん12月号」掲載の連載記事、「忘れられないもの9  ー  帚三種  ー」をお届けいたします。


今年最後の原稿をお届けします。十二月は一年の最後の締めくくりの月でもあり、来るべき新しい年に向けて、家中の大掃除を計画中の皆様方もいらっしゃるでしょう。そこで、前号でお約束した編組品の紹介はしばらく置いて、掃除に欠かせない(と私が思っている)、帚(ほうき)三種を紹介いたします。とはいうものの、いまやスイッチを入れると勝手に床を掃除してくれる掃除ロボットまでいる時代です。掃除にそれら最新式の電気掃除機でなく、帚をお使いになる皆さんがいまどの位いらっしゃるのか、私には想像も出来ませんが、ひどく少ないのは間違いないところでしょう。
さて、白川静著「常用字解」を繙いてみると、「掃除とは、帚を手に持って廟(みたまや)の中を祓い清める事」とあり、そもそも「掃」という言葉の中に「帚」そのものが隠されていて、道具としての「帚」が古い歴史を持つものである事が良くわかります。もちろん、私が世界中の帚を見た訳ではありませんが、用途がはっきりしている処から導き出される形は、洋の東西を越えて、ある共通する形がそこに見える様に思います。

左 中国の帚 右 フィリピンの帚
日本(京都)の帚

帚三種のうち、丈が一番短いものは中国のもの(丈80cm 巾35cm)で、ある時期、諸処で開催される「中国物産展」等でよく見掛けました。ホーキ草の柄の「束ね」にところどころ籐を使って巻き締めてあり、帚の仕事としては値段に見合うだけの最低限の仕事ですが、手間の面での妥協はあっても嘘はない仕事振りです。柄の先に環が見える品はフィリピンのもの(丈95cm 巾50cm)で、これもホーキ草を材料として作られているものです。籐で柄の元から末に至るまできっちり巻き締められ、環状にして柄の端の籐を納める作りも含め見事な仕事です。ただ、材料のホーキ草としての種が違うのか、穂体(ほずみ)の部分が、前述の中国のものが固めであるのに比べ、全体にしなやかでそこが二つの帚の大きく違うところです。最後の丈が一番長いものは日本のもの(丈123cm 巾25cm)で、柄は真竹で穂体には棕櫚皮を使い、銅線を使ってそれをきっちりと巻き締めてあります。いかにも日本の職人の手仕事らしく、全体に几帳面な仕事振りが伺えます。それでは、皆様どうぞ良いお年を!来年もよろしくおつきあい下さい。



2015年12月12日土曜日

「工藝の愉しみ • 師走展」始まる

本日から、今年最後の催事「工藝の愉しみ • 師走展」が始まりました。催事用の荷物が揃わず、準備を始めたのが昨日2時過ぎです。ここ数回、催事の度に手を貸して下さるOさんが、有難い事に今回も来て下さいました。ただ、何から始めどう進めて行くのか、を決めぬまま仕事を始めてしまったことも手伝って、いっこうに仕事がはかどりません。午後6時を過ぎて、今日が職場の忘年会だというOさんが退席。そこから、ようやく本来のもの並べが始まり、一応のまとまりを得たのが12時を過ぎていました。くたびれました。

2階正面窓側
2階正面中庭側
窓側台の上
床上のキリム類各種
パキスタン • ラリーキルト他
壁の民画はグアテマラの皮絵
メキシコのランプシェード
1階踊り場

2015年11月30日月曜日

忘れられないもの 8(編組品の健やかさ)

福岡書芸院発行の冊子「たんえん」11月号掲載の連載記事、「忘れられないもの8( 編組品の健やかさ)」をお届けします。


冊子「淡遠」の4月号から連載を始めて、この11月号で8回目になります。前回分迄で、掲載する為に撮り溜めていた写真が底をつき、10月初めに慌てて「スタジオ フィデル」の藤田孝介さんの処へ掛け込み、数回分の(と思われる)写真を撮影。ただ、何をどの様にと決めないままの撮影でしたから、身近に転がっている編組品をあれこれ車に積んでスタジオに持ち込み、ひとまずそれぞれの写真と全体の集合写真を撮ってもらいました。集まっているものそれぞれに異なったエピソードはありますが、今回はこれら編組品全体の持つ「健やかさ」の依って来るところを書いてみましょうか。

武雄の片口箕
インドネシアのニワトリ籠
フィリピンの背負い籠

ちなみに、写されている編組品は一番奥の壁際に立っているものが約20年前に佐賀•武雄の籠屋で買った片口箕。そこから反時計回りに、インドネシアのニワトリ籠。フィリピンのパシキンと呼ばれる背負い籠。手前の球状の品は、20数年前にタイ北部チェンマイのスポーツ用品店(?)で買った、東南アジアで盛んな足を使う蹴鞠の様な球技、セパタクローのボール。その隣は40数年前に香港で買った籐製の手提げ籠。中央の黒っぽく見える蓋物は、籐を編み竹を合わせた籠の上に漆を塗ったフィリピンの藍胎漆器の原型の様な蓋付き籠です。
これら作られた地域も時代も様々な品々に共通するのは、身近な所に自生する自然素材を使い、それを諸々の道具が要求する明確な用途に合わせて形作られたものである事で、各素材の持つ特性をわきまえた長い経験に裏打ちされた知識と、確かな手工の技術を用いて造形されると、自然の素材がこの様に美しい道具に生まれ変わると云うお手本の様な仕事です。

タイ • セパタクローのボール
中国の手提げ籠
フィリピンの蓋付き籠

装飾と言っても、造形された素材がそれぞれの構造に従って表に見せる異なった編み目位ですが、これ自体が構造に由来する装飾(ornament)なので、色を塗ったり何かを加えたりする装飾(decoration)と違って、過不足ありません。陶土やガラスまた金属など、可塑性の高い素材を使った仕事や染布•絵画など自由な造形を可能にする平面の領域の仕事に比べて、「自意識の罪(弊害)」から最も遠い仕事、それが本来的な編組品の仕事で、編組品の持つ「健やかさ」もそこに由来するものだと思います。さて、次回からは数回に渡って個々の編組品を取り上げ、皆さんにお伝えします。


2015年11月23日月曜日

二つの「もの並べ」

ここ一週間程の間に二ヶ所で“もの並べ”をいたしました。一つは17日で京都 • せんきた工藝店の“工藝の愉しみ展”を、残る一つは20日の八女 • 朝日屋酒店の“中野知昭個展”です。京都は「三坪の店内に多めの染織品をどう納めるか」を、八女は「広い会場で散漫な印象を与えず漆器をどう並べるか」をそれぞれ課題として考えました。上手く行っているかどうかは、会場にお運び下さった上でご判断下さい。

左の壁と正面に合わせて12枚の布
右壁はメキシコの白木椅子や
グアテマラの民画が掛かる
右壁の端にはタイのラフテーブル
左右の扉には夫々インドの刺繍布が
掛かり、左に革張り右に白木の
それぞれメキシコの椅子が並ぶ
奥と手前にはメキシコの吹き
ガラスのペンダント二種が下がる
入口右側のメインの棚、椀類や大盆が並ぶ
下の写真で大盆左右の四角い立方体は新作の箱台
右に並ぶ朱の二段重、その横は片口の大小
正面の棚、下に丼や鉢類、中段は三ッ椀や丸美椀
半閉の上には台形の箱台(大と小)、横は朱の瓶子

2015年11月13日金曜日

料理会の事

11月7日の夕刻から行われた「中野個展」に伴う料理会のご報告です。個展と同じく料理会も実に2年半振りの事です。
直前に参加予定者のキャンセルが出たりしてハラハラさせられましたが、滑り込みで最後の参加者もどうにか決まり、当初の予定通り私と中野さんを含め9人のメンバーで、夕刻から無事に「料理会」を始める事が出来ました。

当日の献立
柿の白和え
鯛の昆布締めと〆鯖を食べた後
秋なすのあん掛け
つがに姿煮
ぶたの角煮
栗ご飯に舞茸のみそ汁
皆楽しそうです
トーコの隠し撮り

2015年11月12日木曜日

百子の花日記 243

中野さんの会で花を入れました。瓶子の朱が綺麗なので、山本教行作の灰釉花入れにビナンカズラと椿 • 西王母を合わせてみました。

朱の瓶子と並ぶ
ビナンカズラと椿 • 西王母