2009年10月30日金曜日

百子の花日記 19



10月26日 ガラスではない透明のプラスチックの容器が、小さな田舎菊を旨く引き立てています。花もいれて7cmの高さの花生け。台所の窓辺の鶏時計の脇に置きましょう。

プリンの入っていたプラスチックの容器 田舎菊 白 青
 
10月29日 展示会は続いているのですが今日は小休止。庭に出て渋柿をとって花の点検をします。一重のクチナシの枝にとても素敵なものを見つけました。“かたつむり” 直径3cmの“なみまいまい”です。小さな殻があちこちにあるので、いつかはお目にかかれると思っていたら願いがかないました。のんびりと葉にひっいてひなたぼっこです。かたつむりの冬越しは口に幕を張って、乾燥を防ぎ落ち葉にくるまって過ごします。冬支度の前の小春日和の一日でした。「明日も同じ枝にいるかしら?」
もうひとつ。以前、みどりの“日本あまがえる”がいて雨の前には必ず鳴いてましたが、もう長いことその声を聞かなくなりました。自然界の諸々の事情で確実に小動植物が消えつつあるし、私達、人間にも危険信号が送られているようにみえます。今年はコロコロ、ククククとすてきな声で鳴くかえる。「シュレーゲルアオガエルかなー、かじかカナー。」でも姿は“日本あかがえる”のような“土がえる”のような。それとも私が見たことも無い種類か。茶色で腹は白く背は透き通ったように見えるかえるなのです。捕まえて沼にはなしてあげようと、ほととぎすやみずひきの花の咲く中をおいかけて、おいかけて、やっと捕まえたのですが、素手では危険という文字が頭をよぎって怯み、一瞬、離してしまいました。勇気を奮って再度捕まえたのにいない。手の中にいない。土の中に旨い具合にもぐってしまったようです。あれから暫く声を聞いておりません。2週間ほど前のことでした。 
「冬眠かなー」と思ったらコロコロ、ククククと今日鳴きました。
ちなみに、バイロンベイのカエルは旧式の洗濯機が廻る様な音で鳴きます。いつか、本物が聞いてみたい。

お知らせ

今月初旬の事。娘の亭主Mが、あまねや工藝店のホームページを更新する際に、催事の欄(新しくなりました)を最初に持って来た(彼のアイディアです)為に、検索をしてもホームページがヒットしなくなりました。次のアドレスが、催事のものでそこからHOMEへもコンタクト出来ます。

http://www.amaneya.net/Amaneya/exhibitions.html

2009年10月26日月曜日

森 貴義 個展の看板を作る





今回の個展で、森さんにどうしても頼みたかったものの一つに催事の看板がわりになる“何か”があります。22日の作品搬入の時に奥さんのNさんにお伝えをし、ご本人にも了承をして頂いたものの、具体的に何が出来るのか皆目見当がつかなかったのが、ようやく本日25日“形”になりました。左側の“段ボール製マネキン”がそれです。
森さん、有り難う。

2009年10月24日土曜日

森貴義 個展始まる





本日24日、6年振りに開催の「森貴義(もり たかよし) 個展」初日が無事に幕を開けました。22日の午後、勤めのある森さんに代わって、奥さんのNさんに作品を搬入して貰い、そのまま二人で個展の準備を始めました。今回の個展は、出品点数が約270点で前回の約2分の1以下、しかも金曜日を含め丸2日間の準備期間も有り、余裕で「もの並べ」が終えられる筈でしたが、現実は目論見とは大違い。結局、終わったのは金曜日の午後11時を過ぎていました。それでも、1階から2階に上がる右手の大きな壁面に段ボールの小さな飾り棚を散らすと云うアイディアを、Nさんの協力で10個近く作る事が出来たのは大きな成果でした。この事だけでも、この個展は半分成功した様なものです。と云うのは、長年同じ会場で催事を続けていると、その催事に並ぶものが何であれ、実際に作品を並べてみると、「見え方」がみな似て来るのです。そんな訳で、催事の度毎に何がしかの工夫をし、それが上手くいった時の嬉しさは私にとって、ものを作る人のそれと同じだと申し上げても良いでしょう。さて今回、催事案内状の葉書の中で森さんの作る「ガラクトーイ」に対して、私が申し上げた苦言(悪口)『・・・仕事そのものが(厳しい言い方をすれば)惰性に化し、造形表現としてみれば新鮮な感じの無い、なんだか“つまらないもの”が多くなって来た・・云々』を森さんがどう受け止め、実際の表現の中でそれに具体的にどう応えてくれるのか、も私の大きな楽しみの一つです。(といっても、いじめるのが趣味ではありませんから、念の為。) 催事が始まる10日程前の電話では、苦しんでいるとの事でしたが、さて首尾や如何!

2009年10月23日金曜日

百子の花日記 18






10月16日 花の終わってしまったシュクシャ。生けてから二週間ほど経ってしまいましたが、それでも葉は元気なので紅葉の紫陽花を入れてみました。髪飾りの様です。

シュクシヤの葉 紫陽花の紅葉

10 月17日 庭の小さな花いろいろを集め、花が浮き出る様に葉をさばいて一種ずつまとめて、ひとつの束にし水を張った鉢に入れて四方に花を振って行きます。 束ねた瞬間が命です。秋の小さな花はとても愛らしいので毎年入れる花です。今日生けた花は"この頃元気が無いのよ”と 云われるKさんにお見舞いにと 思って店に持って来たのですが、"足”がないのでおとどけできないなーと思い小鹿田の鉢に入れカメラにおさめました。暫くして、催事のおり以外はめったに お見えにならないKさんがドアを開けて入って来られたのでびっくりしました。以心伝心とはこのようなことを言うのですね。生けた花は鉢からひきあげてそのまま、 Kさんの手の中に収まりました。

みぞそば 畔地のセンダン草 タデ 白ホトトギス 台湾ホトトギス ミニルドベキア

小鹿田焼 白掛鉢

10月18日 秋の果物いろいろ。紅玉 柿二種類 みかん

10月19日 旅の折、Oさんから頂いた段菊が咲きましたので白山菊も入れてとりました。気が付いた時にはすでに、下の一段目は咲き終わっていました。栽培種には白、薄いピンク等がありますが、段菊はやはり青が何とも云えず良いですね。自生地は岩場。岩場に咲く花をみたいものです。Oさん!無事に根づいて咲きました。有り難う!!

段菊 白山菊

2009年10月14日水曜日

百子の花日記 17


七尾佳洋さんの個展で、花を生けました。初めて見る作品に花が生けられるかどうか心配でしたが、うまく行きました。花入れと花がお互いを引き立て合う様、自然に生ける事に気を使いました。
少々カメラのアングルが悪いのですが、私自身お気に入りの花生けになりました。

七尾佳洋作 灰釉色差しピッチャー ヨメナ、ミニルドベキアの種、ヒロハノウシノケグサ、斑入りノウゼンカズラの枝、ナルコユリの葉

百子の花日記 16




採った時期は違いますが、9月24日に生けた花です。上から順に、

9月21日 日田から玖珠に向かう山間の休耕田の畦道で、ヨメナの群落を見つけました。“きれい、きれい!”の大歓声で車を停めると、両手に抱えきれないほど一杯の花を摘みました。やはり山の花は違います。花の色に深みがあって、しかも大輪です。知人に分けたあと、店にも飾りました。 

山本教行作 灰釉縄文耳付き花入れ ヨメナ、ヌバタマ(ヒオギの実)

9月22日 庭木の剪定をして、シロダモの若い枝を切りました。白の彼岸花は少し黄みがかっている為に春の色合いの様にも見えて、優しいこんな組み合わせも良いと思いました。

山本教行作 灰釉扁壺 白彼岸花、シロダモの若枝

9月23日 八女で灯籠人形のお芝居を見た帰り道、田んぼの畦で赤い彼岸花を摘みました。庭の花をたして、生けました。

山本教行作 瑠璃釉面取壷  赤彼岸花、赤水引

2009年10月13日火曜日

百子の花日記 15


10月13日 白あじさいを秋まで咲かせていると、真夏には緑、そして秋には紅葉色の花になります。寒暖の差のあるほど不思議な色を見せてくれます。催事の時には、この紫陽花の出番です。すだれの様に見える白の水引が面白いので写しましたが、如何?

百子の花日記 14


9月18日 八女のTさんから無花果を頂きました。早速皮を剥いて、炊く事にしました。この我が家のシロップ煮の作り方を皆さんにご紹介致します。シロップがしみ込み易い様に、無花果の実を竹串で差します。鍋に少し多めの水を入れアクを取りながら炊き、更に砂糖を入れて煮詰めます。粗熱を取った後、冷蔵庫で冷やします。
レモン半個分位を絞りかけて下さると、香りとともに美味しく頂けます。料理人のSさんのレシピです。ワイン煮もありますが、Yoshiの好きな食べ方です。

百子の花日記 13


9月18日 栗の収穫 今年は夏に栗の木を切り詰めた事もあって、少しの収穫でした。

百子の花日記 12


9月17日 我が家の庭を活けました。 

山本教行作 地釉しのぎピッチャー  

ヒロハノウシノケグサ、男よもぎ、紅白水引、ミニルドベキア

百子の花日記 11



9月15日 旅から帰ってみるとルコウ草が“私を見て”と云う様に小さな花を咲かせています。真っ白で、花の径が15mm程の小さな花です。そうそう、この花には赤いものもあります。私が小学生の頃の事。夏の午後、容赦なく照りつける陽をあびながら、真っ赤なルコウ草の垣根の前を通って海水浴に行くのが日課でした。小さいけれど、はっきりした意志を感じるこの花が好きです。大事なふるさとの思い出の一つです。

百子の花日記 10




9月9日 重陽の節句(菊の節句) 祝い花の菊を生けたいと思いましたが、我が家の庭に菊はありません。新暦の今は菊の見頃には早く、旧暦の頃が最盛期なのでしょう。今日は友人Eさんから頂戴したつり花を生けました。 山本教行作 灰釉 象嵌扁壺

百子の花日記 9


9月1日 庭の古い柿の木(渋柿)の葉。今年は早めに紅葉しました。

2009年10月12日月曜日

出雲からのお客様




七尾展が始まってまもなくの7日の昼前、はるばる出雲からお客様がお出でになりました。9月中旬の山陰旅行の際、出西窯で創業者のお一人Nさんに偶然お目にかかった事はすでにブログに書きました。その折、「其の内、また福岡を訪ねたい。」と仰ってはいたのですが、こんなに早く来て下さるとは思ってもいなかったので、驚きました。総勢4人の内、NさんとKさんの御二人が出西窯の創業者で81歳、Aさんは出西窯の近所にお住まいの70代、10年程前にも皆さんで来て下さった時のメンバーのお一人です。そして、運転手役のTさんが(おそらく)60代。この方は数年前、やはり出西からの訪問者の運転手役で、軽四輪を運転してはるばる出雲からお出でになり、私をびっくりさせた御仁です。車(今度は大きな車でした)で朝4時20分に出雲を出発し、10時30分には私の店へ。今回、Nさんに私の貧しい茶碗のコレクションをお目にかける約束をしておりましたので、朝出掛けてくる時に7個の椀を持参し、早速見て頂きました。持参した椀の内、一つは出西窯の引き刷毛目の原型の様な仕事でもあり、Nさん、Kさんともども感心して見ていらっしゃいました。この御二人、現役は退かれたものの、夫々お宅に焼物が出来る設備を整えて、今も焼物を楽しんでいらっしゃるのです。特にNさんは、今ご自分で茶碗をお作りになっているとかで、熱心にそれぞれの茶碗をカメラに納めていらっしゃいました。その後、お昼を御一緒したあと美術館に御案内し、宿で少し休んで頂いてから夕刻、店の2階で細君の手料理を、いささかのお酒と共に召し上がって頂きました。
愉快で楽しい一夜でした。また是非お出掛け下さい、皆さん。

七尾 佳洋 作陶展 無事終了





10月3日に始まった七尾佳洋 福岡展が、昨11日で無事に終了しました。初日前日の金曜日、七尾さんと若いMさんの手伝いで物並べ開始。100種類に満たない出品でもあり、予定より早目の夜9時30分頃になんとか並べ終える事が出来ました。時節柄、始める前には大変心配した催事でしたが、会期中100人を超えるお客様でまずは一安心。初日の夕刻には、当初計画になかったオープニングパーティーも開催、十数人の参加者で賑わいました。出品作のうち最大の大皿や楕円皿に、料理(大皿にはクレソンを敷いた上にミートローフを、楕円皿には七尾さんの土産であるメークイーンの茹でたものにパセリを絡ませたもの)を盛ったものは、参加者に大好評でした。ふだん目にする事の少ない“練り上げ”作品の数々には皆さん興味津々で、七尾さんに作り方も含めてあれこれ尋ねておいででした。後半スタートの催事としては、良い催事になりました。