2024年12月17日火曜日

「歳迎えの会2024」出品の品々から2


昨日に引き続き「歳迎えの会」出品の品々から、本日は木工品の紹介です。まずは、ルーマニアの三本脚のスツールです。以前作られていた同種のスツールは座板が平たいもので、座を貫いて付けられていた脚の楔等の加工技術に問題があり、ぐらつきが気になっていたのです。2年程前から座板が半円の形状に変更され、椅子全体の造形的なバランスも何処か生き物を見るような趣もあって、ぐらつきの問題も解消しました。右横の座面が大きなスツールは、エチオピア(案内状にはケニアと書いてしまいました。訂正します。)のスツールです。スツール全体を丸彫で刳り出して造られたものです。従って、見る者に”強い”印象を与える椅子の造形(かたち)と同じく強度もまた無類です。

さて次は、成形に使った道具の荒い刃跡が残る横長の刳り鉢です。何処で造られたものやら国籍は不明です。見つけた時は、永い間放置されたままででもあったのか、埃まみれで真っ黒でした。写真では見えませんが、長辺の上縁のすぐ下二箇所に手掛かりが繰り出してあります。あるいは李朝辺りの時代の造形かもしれません。次は左手前の丸盆です。大きさはおよそ尺二寸、インドの盆です。時間や手間をお金で計らない、そんな世界が産み出した造形です。同様の大きな木鉢も見た事があります。右端の”のんびり”した印象の木鉢は李朝時代の木鉢(小さめの丼大)です。ゆっくり回転する轆轤で成形されています。

2024年12月16日月曜日

「歳迎えの会2024」出品の品々から1

 21日から始まる「歳迎えの会2024」出品の品々を紹介します。


ここ数年、続けて紹介しているルーマニアのスープ碗と、持ち手付きの大振りの壺です。これは胴廻りに直火で焙った(黒くなった)痕があるので、料理か酪農業等の何処かで、壷一杯に入った液体を温める為の道具として作られたものだろう位の想像しか私には出来ません。そう考えれば、重さを支える持ち手が二つある事、また持ち手の場所にも納得がいきます。スープ碗同様、壺の縁や胴廻り上部、そして持ち手に付けられた単純な模様がこの壺を活き活きと引き立てています。


奥の大き目の甕は福島・相馬の館ノ下窯の甕、左の白っぽい甕は佐賀・武雄の二川の松絵の甕、そして手前の釘彫で丸に”や”が描かれたものは、薩摩・苗代川の”黒もん”の徳利です。

2024年12月6日金曜日

「歳迎えの会2024」のお知らせ

ここ数年恒例になりました「歳迎えの会2024」のお知らせです。11月中旬から10日間ほど、東京や京都など数カ所を廻り、今展準備のための品集めをいたしました。案内状の写真をご覧いただくとお分かりの様に、今年もまた楽しい品々との出会いがありました。詳細はまた追ってご報告するつもりです。