2022年4月29日金曜日

「小野善平蒐集物語」その1


「小野善平蒐集物語」展出品作で案内状に紹介している6点について、「モノに想ふ」と題した短文が小野さんから送られて来ました。まずは左側の3点。里見勝蔵の油彩小品、クバの布、イスラエルの土器についてをご紹介します。

           里見勝蔵

里見は白樺の仲間であり、日本のフォーヴィストの代表選手。ブラマンクに打ちのめされ自分が描く自分の絵に向かいます。黄色の大地と碧い空、画面全体がうねります。中央の塊は何かな。1955年に滞在したイビザ島を想い、描いた作品でしょうか。この額縁も、昔流行ったものです。

          クバの布

褐色の大地から生まれた、ご存知コンゴ・クバ王国の布。僕は「クレーの布」と呼んでいます。クレーが咀嚼し、フォークアートからファインアートになりました。何処のものであろうが誰のものであろうが、美しいものは美しい。


      イスラエルの土器(BC1500年頃)

僕の仕事はイスラエルから始まりました。エルサレムの街を不安に怯えながらひたすら歩き自分の感覚のみを頼りに、土器を持ち帰りました。今でもエルサレムに行くと、やはり土器を買います。僕の「モノ蒐め」の原点です。

2022年4月27日水曜日

「柚木沙弥郎展」のご案内


 今年生誕100年を迎え、秋には学長を務めた「女子美術大学美術館」で記念展を、そして来年は明けて早々から、東京・駒場の「日本民藝館」における記念展が、およそ三ヶ月に渡って計画されている柚木沙弥郎氏の「旅の歓び」の原画数点に加えて、ロマネスクシリーズや型絵染シリーズの署名入り着彩プリント、「宮沢賢治遠景」の原画プリントなど、およそ30点ほどを並べて、中央区高砂のCoffee County福岡店で「柚木沙弥郎展」を開催いたします。詳しくは、同店のホームページをご覧ください。




2022年4月25日月曜日

11年ぶりの山陰へ


 21日早朝に大宰府の自宅を出て、23日深夜に帰宅すると言う慌ただしい旅行をして来ました。全行程を一人で運転し通す自信はなかったのですが、助っ人役のY君が運転の半分以上を受け持ってくれると言うので実現した旅です。途中、久世に寄って遅めの昼食。そこから津山経由で岩井窯まで、自宅から片道約650㎞。夕方遅くにようやくたどり着きました。まず「参考館」で、「リーチ好き」出版記念、岩井窯所蔵のリーチ作品諸作を拝見。その後、宿で一風呂浴びた後(同行3人中、私だけでした)、ご自宅で房江さんの、相変わらず、美しく美味しいお手料理、コシアブラの天ぷらやワラビ鍋等とたっぷりのビールをご馳走になり約2時間、気持ち良く酔い、お送りいただいた宿の布団の中に倒れこみました。


翌朝、咲き残る山桜や美しい新緑を見ながら、もう一度「参考館」を拝見したり、「喫茶HANA」でお手製の生チョコやオレンジピールをつまみながら、Y君が淹れてくれた手土産の追焙煎珈琲を窯の皆さん方と楽しみ、昼食に特製ピザまでご馳走になって、一路出雲へ。その夜は、旧知の元出西窯陶工 Kさんのお宅へ。他に夫人のRさんやご近所のAさんと、物を見たり楽しくおしゃべりして、10時過ぎに宿へ。



翌朝は、ご生前「多々納弘光連続講演会」をお引き受け頂く等、大変お世話になった出西窯創業者のお一人、故多々納弘光氏のご自宅へ。お仏壇に御香料と線香を手向け、ご冥福をお祈りしました。その後、9号線を一路西へ。温泉津の森山窯や江津のMハート経営のKさんをお訪ねして、物選びをしたりおしゃべりを楽しんだ後、Y君にハンドルを預け、9号線経由中国自動車道から九州自動車道に入り、自宅到着は午後11時過ぎ。疲れましたが、充実した楽しい旅になりました。

2022年4月20日水曜日

「小野善平の蒐集物語 展 」
ー Gallery ONO の四十年 ーのお知らせ

 5月連休明けの7日(土曜日)から15日(日曜日)まで、Gallery ONO を舞台にこの40年、様々な時代・地域にまたがったものを世界中から蒐め、それらの品々を紹介して来た小野善平さんの「蒐集物語」を始めます。初日7日の19時から、小野善平さんの蒐集にまつわるお話を聞く「私の蒐集物語」を予定しています。参加費は1500円(10人限定、茶菓付)。集まったお金はペシャワール会に寄付いたします。

参加ご希望の方は、電話092−526−0662かE-mail amaneya ◉(@に置き換えてください)gmail.comまで、お申し込み下さい。若い人たちの話をぜひ聞きたい、とのリクエストを小野さんからも頂戴しています。以下案内状の文章原稿です。

世の中には、個人の名を冠した蒐集がたくさんあります。身近なところでは、柳宗悦による日本民藝館蔵品、濱田庄司・芹沢銈介のコレクションなどは(その数ではなく質において)、世界に誇るべき大コレクションと言っても良いものでしょう。さて、今回ご紹介する小野善平さんの蒐集は、岡山市のGallery ONO を舞台に世界中を小まめに歩き、エジプトやイランの紀元前に遡る諸作やマリ共和国・エチオピアなど中近東・アフリカの品々を、かと思えば、20世紀初頭にパリで活躍したG・ルオーの版画や里見勝蔵の油彩など、興味・取り扱いの領域が広いのが特徴とも言うべき御仕事を、この40年続けて来られました。幸いにも、今回その蒐集の一端を皆様方に見て頂く、小さな展観を開催出来る事になりました。どうぞお出かけください。

案内状に紹介した「もの」にまつわる物語の幾つかは、順次「あまねや通信」でお知らせするつもりです。お楽しみに!

2022年4月10日日曜日

薮庭の花が入りました


 昨日の初日、会場に薮庭の花が入りました。花が型染布を引き立てて、大変きれいです。みなさん、どうぞお出かけ下さい。



2022年4月9日土曜日

「 第2回 natsumichi 展 」本日初日

 前回展の時もそうでしたが、今回も「もの並べ」に苦しんで、なかなか皆さんに催事の内容をお伝えする写真を見ていただく事が出来ませんでした。今回、たまたま来合わせた不運なY君の助力を得て、何とか並びました。いつも有難う、Y君!今回、お願いして多めにお送り頂いた型染布の他、バッグ類や型染団扇まで、多彩なnatsumichiの仕事が並びました。どうぞみなさんお出かけ下さい。


2022年4月1日金曜日

「第2回 natsumichi 展」のお知らせ

今月9日(土曜日)から17日(日曜日)までの日程で、’12年4月の前回展から10年ぶりに、natsumichi 展を開催いたします。natsumichi とは、東京の女子美術大学で同大学名誉教授 大澤美樹子氏に教えを受けた、大木夏子と北澤道子の二人の染色家のユニットの名前です。卒業後の2003年に natsumichi 結成以来、個々の活動と並行して、ユニットとしての発表を絶やす事なく続けてきた、そんなお二人の展覧会です。型染布をバッグや小物入れ等、様々な形に加工したものの他、今回、特にお願いして「型染布」そのままの御作の割合を増やして頂きました。前回展と違い、お二人のご来店もなくオープニングパーティーも出来ませんが、それは次回のお楽しみにいたしましょう。皆様どうぞお出かけ下さい。