2024年9月16日月曜日

「川口いつき個展」作品紹介 その2

作品紹介その2は、1で紹介しました3点の絵画作品の下絵です。手帳やメモ帳など、小さな紙片に描き留められたものです。山や雲の形、そして構図などはこの段階でほぼ決まります。ただ、細かい収まりを求めて、絵画作品には数回手を入れる事があります。”After the Rain”がそれで、細部が上手く納まる迄に3回手を入れています。

                                             " In Gods' Country "
                                             " In Gods' Country 2 "
                                               " After the Rain "

「川口いつき個展」作品紹介 その1

 開催中の川口いつきの作品を紹介いたします。その1は個展に於けるメインの、山容をモチーフにした3点の作品です。

自宅滞在中、友人に会うため出掛けた別府行きのバスの車窓から見た由布岳を描いたもので ”In Gods' Country"シリーズの第1作。

"In Gods' Country "の第2作。「あまねや通信 ”作者の言葉”」の中にある、往復7kmの宝満山への散歩の道すがら目にした或る日の宝満山。

シリーズ第3作 "After the Rain" 「雨あがる」。たしかこの題名は、山本周五郎の短編にありましたね。雲をまとう宝満山の姿。

2024年9月14日土曜日

" 川口いつき個展 " 今日から

 お知らせしておりました「川口いつき個展」今日からです。皆さん、どうぞお出かけ下さい。


2024年9月10日火曜日

" 川口いつき個展 " 作者の言葉


Itsuki Kawaguchi’s recent body of work, developed during a three-month residency in Japan, explores the subtle interplay of faith, nature, and the ordinary—a harmony deeply rooted in the Japanese landscape and its spiritual traditions. In these works, Kawaguchi captures the essence of Japan’s sacred environment, where the rhythms of everyday life are imbued with a quiet, unspoken reverence.

The work is an evocative meditation on the organic forces that shape both the land and the spirit. Volcanic mountains, ancient camphor trees, flowing river streams, and the melancholic song of Higurashi cicadas are rendered with a sensitivity to their symbolic weight. These natural elements become visual metaphors for the unseen yet ever-present kami, the divine spirits of Shinto belief.

Kawaguchi’s practice, influenced by daily walks towards an 800-meter-tall mountain cloaked in billowing clouds, channels the delicate tension between the ordinary and the sacred. Each walk became a contemplative act, bridging the space between the material world and the spiritual realm, an exploration of the equilibrium between transient moments and timeless tradition.

This collection embodies the spirit of the Japan that Kawaguchi calls home—one where the gentle rhythms of life and the deep, abiding presence of nature and faith converge, crafting a quiet yet profound narrative of place and belonging.

今回の一連の作品は、私・川口いつきの日本での三ヶ月に渡る滞在制作プロジェクトから生み出された。その間、私はここ日本で営まれる日常生活の中にある、信仰と自然の織り成す絶妙な調和を探し求めた。これを言葉に置きかえれば、日本の風景や精神文化に深く根付いた「伝統」と呼んで良いのかもしれない。'In Gods' Country'と名付けられた今回の作品は、日本における日々の暮らしの中に静かに息づく自然に対する畏敬の念を、日本の神聖な環境の中に見出し、それを絵画作品として表現したものである。

これらの作品群は、大地と心を形作る自然の力について、見る人に深い省察を促す。火を噴く山々・年経た楠の木・小川のせせらぎ・哀愁を感じさせるヒグラシの鳴き声。これもまた、私達のまわりに拡がる風景を表す単なる言葉ではなく、それ自身の持つ象徴的な意味を丁寧に表現したものなのだ。自然を構成するこれら一つ一つの言葉そのものが、目には見えずとも、常に身近に存在する神々 - 神道の”神” - を表す視覚的な比喩ともなっているのである。

大宰府に滞在中、私の日課となった往復7kmの散歩。雲がたなびく標高800mの宝満山に向かって歩くこの散歩は、私にとって、平凡な日常と神聖なものの間にある繊細な緊張関係を実感する手立てとなった。散歩は瞑想に似て、目に見える世界と見えない世界とをつなぐ架け橋のようなものだ。つまるところ、私の散歩は、一瞬で過ぎ去る現在と大昔から延々と続く伝統の中に存在する時間との調和均衡を探る、そんな旅を日々繰り返していたとも言えよう。

今回のコレクションは、私が”故郷”と呼ぶ日本の魂を表現している。穏やかに過ぎて行く日々の営みと、自然や信仰の中に同じ様に見出す事が出来る深く変わらぬ存在が、融けあい混じり合って、静謐でありながら心に響く、そんな場所とそこに帰属する人々の物語を紡ぎ出しているのである。

*「作者の言葉」の日本語訳について 原文の英語を日本語に翻訳する際、文意を損なわない程度に大幅な「意訳」をしています。

2024年9月3日火曜日

「川口いつき個展」のお知らせ

8月19日の投稿で、「むすめの絵」展として お知らせしておりました催事の再度のお知らせです。当初、案内状も作らずブログとインスタグラムだけのお知らせで開催の予定でしたが、出品点数は少なくとも娘の初個展でもあり、急遽、藤田孝介さんに撮影をお願いして、催事案内状200枚を作る事にしました。友人・知人を中心に案内するつもりですが、案内をご希望の方がございましたら、Eメールにて、 amaneya○(@マークに置換える)gmail.com までお知らせ下さい。