2019年11月9日土曜日

剣道と現代美術の幸せな関係


「剣道と現代美術の幸せな関係」と、タイトルに書いても皆さんには何の事だかお分かりにならないと思います。それも当然で、松形さんの尺八寸の大鉢を見て、今し方思いついたタイトルなのですから。
どう云う事かと言えば、松形さんが学生時代に美術部に所属し、絵筆を執って絵画を描いていた事はDMにも書きました。実は美術の他に、この御仁(ひと)は剣道を長いこと続けて来た人で、中学校の教師時代、剣道部の顧問を引き受けさせられて、休みもなく大変だったとの話は聞かされていたのです。今回の大鉢は、松形さんの人生の根にある美術と剣道を「産みの親」として生まれたものであるとの確信を抱くにいたり、それを皆さんにお話ししたくなって、この面妖なタイトルをでっち上げたと云う訳です。

とは言っても実のところ話は簡単で、この点打ちの仕事を見ていると、剣道の試合で相手を前に竹刀を構え、一瞬の隙を捉えて面や小手を打つ或いは胴を払う、そんな気合いが、ありありと、私にはこの尺八寸の点打大鉢から見えて来るからなのです。
現代美術の世界でこの仕事の印象に近いものを探すと、アクションペインティングで名高い白髪一雄(しらがかずお)やアメリカのジャクソン・ポロック、そして工藝の世界では武内晴二郎の一連のスリップウェアや棟方志功の書の仕事等が眼に浮かんで来ます。褒めすぎだ、と貴方は言うに違いないけれど、この仕事は本当に上出来です、松形さん。

2019年11月7日木曜日

第3回「松形恭知展」始まっています

一階正面

11月2日に幕を開けた「松形展」、ほぼ1週間が過ぎました。10月30日に14ヶ口で作品が到着。開梱に丸一日。31日は、ここひと月半以上放りっぱなしだった土間の木煉瓦の敷き直しと床のワックス掛けで丸一日。11月1日には、八女に引き続き山口県川棚から手伝いに来てくれた中村さんと細君の手助けを得て、「もの並べ」で丸一日。初日は、夕刻から我々を含め15人ほどで懇親会と、ブログを更新する暇なく気がついてみたら1週間が過ぎていたという訳です。そんな訳で、遅ればせながら「松形展」のご報告です。

左端は今展一の大作「点打ち尺八寸大鉢」
2階会場の様子

今展の出品点数は大小取り混ぜて400点だそうで、2階会場だけではとても並べきれず、1階正面に少し並べました。それでも並べてみると、少し窮屈ではありましたが何とか形になりました。
それも1週間程の内に少しづつその数を減じ、今は良い収まりを作る事が出来ています。また、初日夕刻から15人ほどで行なった懇親会も、I シェフの即興料理で、ある時は松形作の食器類に乗せられて、美味しいものが次々に登場し一同大満足でした。今月17日までの会期です。皆さん、どうぞお出かけ下さい。

懇親会
日曜日の記念写真

2019年10月18日金曜日

第3回「 松形恭知作陶展」のご案内


’16年以来、3年ぶりになる松形恭知作陶展のご案内です。前回と大きく異なっているのは、原料の陶土が変わった事です。当然、これまで使ってきた釉薬との相性の見極めなど、大変な事が様々にあった筈ですが、それを感じさせない今展出品の美しい黒釉や海鼠釉の諸作をぜひともご覧頂きたくご案内申し上げます。
なお初日の11月2日には松形さんを囲んで懇親会も予定しています。造形されたものと重なるような穏やかな御人柄の、松形恭知(まつかたきみとも)さんと直接お話しいただける貴重な機会です。
ふるって御参加ください。当日の料理は、いつもの様に即興料理の名手 I シェフにお願いしています。参加費は1500円です。
ご予約は電話かEメールamaneya◎(◎はアットマーク)gmail.comまでお願いします。会期は11月2日(土)から17日(日)まで。会期中の月曜日は休みます。以下、案内状原稿です。

高校生の頃「走泥社」の八木一夫や鈴木治などの前衛陶芸に触れ、大学進学後は美術部で絵筆を取っていた松形恭知さんが、どの様にして工藝領域の表現に惹かれ、後年その世界で作り手を目指すようになったのか、詳しく伺ったことはありません。ただ、美術の世界の表現に比べて「実用(用途 )」の縛りがある工藝の仕事は自分にとって救いだった、という言葉を聞いたことはあります。穏やかで激することのない(様に見える)松形さんと陶器による表現は、よほど相性が良かったのか、その後、続々と実用世界の食器類を生み出しています。ここ一・二年ほど前から原料の陶土が変わり、釉薬との相性に腐心しているとの事ですが、写真をご覧いただいてもお分かりのように、今展でも変わらず美しい黒釉やなまこ釉の各種の仕事がご覧いただけます。どうぞお出かけの上ご覧下さい。



2019年10月16日水曜日

民映研「越後奥三面」上映会ご報告


10月12日の午後1時。福岡市中心部から歩いて10分ほどの処に位置する、「アイレフ」8階視聴覚室で、34年ぶりに民映研の記録映画「越後奥三面」(1984年制作)上映会を開催する事が出来ました。東京から二人のゲスト、民映研カメラマンの伊藤碩男(いとうみつお)氏とグループ現代プロデューサー川井田博幸(かわいだひろゆき)氏を迎えて、本編上映が2時間半。その後休憩を挟んで、川井田さんが聞き手になり、伊藤さんが越後奥三面に関わる興味ふかい話を中心に1時間ほど話をして下さいました。

右端が川井田さん、ネクタイ姿が伊藤さん

当日、受付を担当してくれた女性NさんYさんと井上夫妻そして私の五人を含めて、40人ほどの人が熱心に映画を見、話を聞いて下さいました。 前日、夕食をご一緒しながら伺ったお話を含め、伊藤さんの記憶は驚くほど正確で、その多様な記憶の引き出しの引き出し方次第では、まだまだ面白いお話を伺う事が出来そうです。来年もまた、という声もどこからか聞こえてきて、世話をした私どもも大満足のうちに終えた映画上映会でした。

2019年10月15日火曜日

第3回「喜びのたね命のかて展」
会期延長のお知らせ


好評につき、第3回「喜びのたね命のかて展」会期を10月20日(日)まで延長いたします。以上、取り急ぎお知らせまで。

2019年9月30日月曜日

愉しい一夜


今回、二年ぶりで八女展が無事に開催出来ました。準備日の20日は、すでに秋祭り初日の前日でもあり、福島八幡境内や会場前に屋台の設置準備が進んでいて、小雨もパラつく中、会場(高橋宏家土蔵)への設置機材搬入が滞りなく運ぶか心配しましたが、テキ屋のお兄さんがたにもお手伝い頂き、無事に終了。


午後から夕方に掛けて、遠く山口県から手伝いに来て下さった中村順子さんはじめ、秋祭り見物で八女滞在中の水町純夫妻や奥さんのメラニーの母上のカリーン、また、21日から3日間「朝日屋酒店」で子供の本の出張販売の為に八女滞在中の井上良子さん等が準備を手伝って下さり、大助かりでした。百子手製の夕飯とワイン4本、また親切な大家さん提供の繁升の銘酒などで盛り上がり、九時頃には朝日屋の高橋さんも参加、久しぶりに遅くまで愉しい一夜を過ごしました。

2019年9月28日土曜日

第3回「喜びのたね命のかて展」が始まりました

八女展会場「高橋宏家土蔵」の様子
福岡会場1階踊り場の壁に掛かる作品2点。
「机辺静物」と題された型絵紙染の大作とうちわ絵
すでにお知らせしております様に、3回目の「喜びのたね命のかて展」が開催中です。21日から始まった八女展は25日で無事に終了。引き続き28日から10月13日まで福岡展が始まります。
今回、八女展と福岡展との間の準備期間が二日間しかなく、心配しましたが、なんとか準備完了。どうぞ、お楽しみにお出かけ下さい。

1階のぞきの様子
2階正面および舞台の様子
吹き抜け壁の様子