2023年10月24日火曜日

「川連 寿次郎の仕事 展」のお知らせ

来たる11月4日から12日までの予定で、当店常備の汁椀類の産地・川連(かわつら)で漆器製作に携わる寿次郎(じゅじろう)の漆器製品各種を紹介する催事を行います。寿次郎の主催者 佐藤幸一さんとのお付き合いは長く、当店開店直後から現在までの40年以上にわたります。車で動いていた時期に何度かお訪ねした事もあります。何時であったか、遙か向こうの山の稜線に立つ橅(ぶな)の木を指して、あれらの向う側に立つ橅のほとんどが林野庁の指示で切られてしまった事、橅は木口から腐朽菌が入りやすい為、普段であれば、伐った橅は池に沈めて樹脂を抜き加工・乾燥させて椀生地に使うのだけれども、量が多すぎてそれが出来ない、そんな話を聞いた事もあります(30年以上前の記憶に頼っての話なので正確ではありません、念の為)。

のち、それらの橅のほとんどは木口から腐朽菌が入り、結果、大半の樹が腐って使えなかった事を聞きました。随分前、産地で漆器製作に関わる七割ほどの人には跡継ぎがないのだ、との話も聞いています。ある量販店では、プラスティック生地に漆を塗らせ(職人の手間賃1個100円)、それに1000円代の値段を付け漆製品のシールを貼って販売されています。これがどう云う事かと言えば、漆器の普及に役立たないばかりでなく、まともな漆器の仕事を潰す事に手を貸している事になっています。6月にお会いした時の佐藤史幸さんのセリフ「川連で漆器の仕事を続けていけるのは後20年位かもしれない。」とも併せて考えると、暗澹たる気持ちになってしまいます。皆さん方の心からなる応援が必要です。

0 件のコメント:

コメントを投稿