2022年1月31日月曜日

長椅子の引越しと到着


 1992年10月以来約30年、あまねや工藝店の風景の一部として店の奥に座り続けて来た長椅子が、久留米の新しい持ち主の元へ引き取られて行きました。この椅子は、1992年6月に福岡市中心部に近いギャラリー Espace19(エスパストーク)で行われた「第1回 大澤美樹子個展」開催の折に、愛媛県松山市郊外久万町山中の小学校廃校跡を仕事場にして、シベリア産の朝鮮五葉松を材料に白木家具を作っていた杣野工房 林栄一の手になるものです。
2018年6月11日付のあまねや通信「忘れられないもの39 第1回大澤美樹子個展」の数葉の写真の中に、製作直後のこの椅子の白々と美しい姿を目にする事が出来ます。ただ、あまねや工藝店に於けるこの椅子の30年は、座板の上に様々なものを並べて見てもらう、いわば展示台としての役割が主で、長椅子としては誠に不本意であった筈です。引越し先では、座るための椅子として大いに皆の役に立ってくれるものと思います。

さて、代わりに一昨日の29日、店にやって来たのが先住の長椅子より250歳前後年上(希望的推測)の巨大なスペインの長椅子です。 目をつけて以来3年、なかなか購入に踏み切れなかった品ですが、「あまねや工藝店創業40周年記念」という誠に立派な(?)名目を理由にして、ついにこの椅子を迎え入れる事が出来ました。以前の長椅子が座っていた場所にこれを裸で据えてみると、存在感が強烈過ぎて、すぐには店に馴染んでくれそうにありません。

昨30日、奧の背板にアフリカの布を掛けたり座に焼物を置いたりして、なんとか仲良くやって行けそうな感触をつかむ事は出来ました。当日、長椅子の搬入を手伝ってくれた若い二人に感謝します。

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