2015年5月18日月曜日

民族文化映像研究所 制作の記録映画
「粥川風土記(かいがわふどき)」上映会のご案内

’85年に上映会をした「越後奥三面」に関する本
当時作ったパンフレット
5月24日(日曜日)午後1時30分から、民族文化映像研究所制作の映画「粥川風土記」の上映会を、当店2階で行います。実に30年振りです。’85年当時は、仲間4、5人で作った「福岡生活学校」主催で公共の場を借りた上、自分で16mmの映写機を回す場合の事も考えて、その年の夏「16mmフィルム映写機講習会」に世話人二人が参加。資格を取って、万全の体制で上映会に臨みました。いま思えば、何だか力が入り過ぎている様に思えなくもありませんが、そうやって人を大勢集めなければ、自身見る事が叶わない様な時代でもあったのです。それらのフィルムがデジタル化されDVDになって貸出料も下がった事で、現在119本ある「民映研」の作品を、少ない人数でも見る事が出来る環境が整った事が、今一度「民映研」のフィルムを見てみようと思い立った理由です。以下、案内状に作った文章です。
30年前の1985年9月に、「民族文化映像研究所」(民映研)の映画「越後奥三面(えちごおくみおもて)」を初めて見ました。新潟•山形両県の県境近くの朝日川上流に位置し、冬から早春に掛けては獣の狩り、また斧(ヨキ)や手斧(チョウナ)を使って作る丸木舟作り、熊オソと呼ばれる熊穫りの為の罠作り、ゼンマイ小屋を建て全村を挙げひと月にわたって行う春のゼンマイ採りなど、村周辺に広がる広大な朝日山地と田畑を中心とした農業を生活の基盤にした暮らしが営まれる奥三面。その集落が県営ダムの計画により丸ごと湖底に沈む事になり、失われてしまう地域の生活の様子や祭事、伝えられて来た生活技術までを、「民映研」が現地に家を借りて4年掛かりで撮影した貴重な記録映画です。1984年制作ですから、上映会当時は現在の私達が抱える社会問題の一つとして、なんとかそれを廻りの皆に知らせたい、と云う思いが私達主催者側に強くあった事を覚えています。
上映会前日、毎日新聞夕刊の文化欄に当時、学芸部の記者であった東さんが書いて下さった写真入りの紹介記事、そして当日朝の民放のラジオ番組に民映研所長の姫田さんが電話取材という形で出演して下さった事もあっての事か、福岡と北九州の二会場を併せると600人程の方々がこの映画を見て下さり世話人一同、胸をなで下ろしました。その同じ映画を、昨年11月に改めて八女で見、その後1月に「椿山(つばやま)」4月に「奥会津の木地師」など、計4本の民映研の映画を見て感じたのは、初めて「奥三面」を見た当時の私達が考えていた(私が考えたがった)様に、それらの映画が「声高に時代を告発する」為の(社会正義的)映画では実はなく、「記録」という作業を通して、地域や時代を超えた「人の暮らしのあり方そのもの」を問う視点の深さを持つものである、事にようやく気がつかされました。それが、単純に見る側である私自身の年齢の所為なのか、過ぎて来た時間の中で様々な経験(学習)をして来た結果によるものか、それは判りません。
現在、八女では「朝日屋酒店」を会場に3、4ヶ月に一度の割合で「民映研」の映画上映会を開催中です。ここ福岡でも「民映研」の記録映画を久し振りで上映したいと思い立ち、「子どもの本や」店主の井上良子さんと相談して、まず第1回の上映会を、「あまねや工藝店」2階で開催予定の「子どもの本や」販売会、5月22日(金)•23日(土)の翌日、24日(日)の午後1時30分から民映研の119本あるフィルムの内、最後の作品である「粥川風土記(かいがわふどき)」から始める事にしました。フィルムがDVD化された事により貸出料も下がり、少人数(10~15人)での上映会が可能になりました。ただ、赤字を出さずに続けて行く為もあり、会費は1回2000円にしました。少し貯金が出来たら、「越後奥三面」を皆さん方と一緒に見るのが夢です。どうぞご参加下さい。 

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