7月の村松展の期間中、珍しい人たちが店を訪ねてくれました。まずは、17日の木曜日に信楽で焼物をやっているYさんの一家三人です。奥さんのM子さんは、かつて出雲の出西窯でロクロの仕事をしていた人で、私が出西窯を訪ねる時はいつも仕事を見せてもらったり、話したりしていました。一瞥以来、三年ぶりの再会です。ご亭主のYさんとは信楽の窯業学校の同級生だそうで、可愛いさかりのソウスケ君(二歳)が一緒でした。現在、Yさんは昼間地元の製陶所で賃仕事をし、夜間に自分の仕事をしているのだそうです。
一年間イギリスで勉強をして来たと云う事で、スリップウェアーの皿数枚にカップ類の幾つかを見せてもらいました。中の一枚、7寸に8寸位の長方形のスリップの皿は「使い易さの為、あえて手取りを軽くした」との事でしたが、その工夫が必ずしも上手くいっていない様に私には思えて、それをYさんに伝えました。実際の品を見て貰いながら私の感じた事(食器は何でも軽くすればそれで良い訳でなく、食器の見え方に対して必要な重さの“納まり”があると云う事)を説明すべく、翌日の小鹿田窯からの帰りに太宰府の自宅に寄ってもらう事にしました。翌日の午後3時頃から2時間程、お茶の時間を挟んで、我が家の食器棚の中の様々なカップ類や皿 • 鉢類など見て貰いましたが、35歳(当店と同い年!)だと云うYさんに何処まで伝わったかは分かりません。来春から、M子さんもYさんの仕事を手伝うのだそうで、良い仕事ができたら見せてもらう約束をして、Yさん達と別れました。
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我が家の食器棚内部 |
村松展最終日の20日昼過ぎ、今春から関東にある「自由の森学園」高校に進学した15歳のNさんが訪ねてくれました。来合わせていた友人夫婦二人と私とで、彼女が持って来てくれたお土産(菓子)をつまみ珈琲を飲みながら、寮の事や新しく出来た友達の事、また学校の授業や先生方の様子、そして夏休みの終わりに計画している、学校の友人三人と一緒の東京•京都往復の“青春18切符”による旅行の計画等々、色々な話を聞かせてくれました。そんな話をするNさんの言葉の端々から学校生活の充実ぶりが伺えて、年上の友人(と云うと、ちょっと厚かましいでしょうか)の一人として、私も嬉しくなりました。
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松形恭知作カップ三種 |
7月最後の日曜日27日の午後、今年11月に予定している八女と福岡での個展の打ち合わせを兼ねて、遠く宮崎の国富町から陶芸家の松形恭知さんが奥様と二人で太宰府の自宅を訪ねて下さいました。本来なら私が出向くべきところ、ご親切にも訪ねて来て下さったのです。少量の当店注文品に加えて、個展に出す予定の作品を大きめの段ボールで三箱も御持ち下さり、私どもが自宅で使っている食器や私の貧しいコレクション等もご覧頂きながら、夜8時頃まで話が弾みました。やはり、ここでも話の中心は物理的な物の大きさ•重さに対するその品の“納まり”について、で珈琲椀から様々な鉢類、茶碗に至るまで、我が家の蔵品を見たり触ったりして頂きながら、その日の昼間の席に連なっていたUさんやTさん共々楽しい時間を過ごしました。
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