2011年8月13日土曜日

“残暑見舞い”への返信 ーイギリスからー



静子さん

本当に久し振りの、静子さんからのお便り嬉しく拝見しました。ここ太宰府は6月中雨続きで、家の中がカビだらけのひどい状態になり、店の状態も催事をやっていない事(当然、大震災の影響)もあって、一人のお客もない日が続いたりして、このままだと店を閉める事を本気で考えなければいけない、そんな状態が続いて二人で落ち込んだりしました。百子はそんな中、早目の家賃その他の支払いをなんとか済ませた上で、娘からの誘いもあり、6月半ば過ぎから2週間程、オーストラリアの娘の処に半年ぶりで出掛けました。楽しかった様で、帰って来た時は随分元気になっていて、ほっとしました。この処、1歳半を過ぎた2番目の孫娘・実輪が歩く様になり、また言葉も覚え始めて、私達を楽しませてくれる様になりました。金髪碧眼ですが、気性その他が娘にそっくりで驚く程です。しかし、娘の亭主のモーガンは自分の父方の祖母にそっくりだとも言っていますから、同じものを見るにしても、人の見方は様々というのが妥当なところなのでしょう。

7月になり、いつもより2週間程早く梅雨が明けたとたんに暑くなり大変でしたが、それよりも不気味だったのは蝉の声が一切しない事でした。7月も末頃にようやく鳴き始めて安心しましたけれども、こんな不気味な梅雨明けは覚えがありません。そんなこんなで、いま「あまねや」では、夏中ずっと8月の末まで小さな催事を二つ続けています。9月には、筑後地方の八女で同じ催事をやり、なんとかこの年を乗り切らなければと思っていますが、さてどうなりますやら。
庭木の剪定の話は笑ってしまいました。奮闘の様子が目に浮かぶ様ですし、5回も電気剪定機の電源コードを切ってしまう処など、静子さんらしくて本当に良いですね。
自分に出来る事を発見しながら、少しづつ暮らしを自分の方にたぐり寄せ、行きつ戻りつの「気持ちの振幅」を、少しでも小さくして下さる事。それが私達を含め、遠くに離れ心配して静子さんを見守っている御友人方の願いなのではないでしょうか。

原発災害の影響は、当然福岡にもあります。数値の形で出て来るものもあれば、人の気持ち、あるいは大不況と云った形の影響もあります。しかし、事故が起こるまで、こんなに危ういバランスの中に、私達の生活が支えられてあった事に無自覚であった、この事が一番の問題だったと個人的には思っています。そこから始めて、自身がいったい何をどのように変えて行けば、少しでも希望を持つ事の出来る世界を取り戻せるか、そんな事を考えています。そこで、7月中は空調を入れず、冷たい水の提供と保冷剤の貸し出しで、お客様に対応したりしました。笑ってしまう程ちっぽけな事ですが、ともかく出来るところからと思っています。

4月に7年ぶりで丹波の柴田さんの個展をやりました。その折、静子さんから頂戴したチューリップが愛らしく咲き、それを百子が小さめの水差しに入れたものを写真に撮っています。いつか静子さんに送ろうと思っていたものと、先日店に来て下さった大澤美樹子さんと一緒の写真を、ファイルで送ります。お元気で。また便りを書きます。

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