店を始めて、あまり日が経たない頃の事。コナ石鹸を店で売りたいと思い立ち、東京で暮らしている時に使っていたミヨシ油脂のコナ石鹸を探しました。それが切っ掛けで、当時ミヨシ油脂の福岡支店にいた千葉出身のSさんと親しくなり、コナ石鹸を広める為の広報活動(平たく言えば、情報誌Fの読者に無償でコナ石鹸を提供する)にずいぶん協力してもらいました。それが力になって、コナ石鹸使用者が増えたと云う事も、実はありませんでしたけれど。後になって知人の一人から、コナ石鹸は希望者が少なかった為、葉書を出せばだいたい手に入ったと云う話を聞き、がっかりした事もあります。
また、「暮しの手帖」に掲載された記事を読んで、津軽の片山りんご園の「無袋ふじ」を、店で売っていた事もあります。4、5年は続けたでしょうか。結局、専用冷蔵庫もなしで、たくさんの林檎を売り切れずに断念したのかもしれません。しかし、うまくいっていれば今頃は、「あまねや工藝店」でなく、「あまねやリンゴ店」になっていたかもしれない訳ですから、良かったのか悪かったのか、はてさて・・・。
どうすれば、暮らしと仕事を矛盾なく重ね合わせていけるのか、そんな試行錯誤の毎日の中で、迷いながらやっていた頃の事です。
冷蔵庫の外に座っていた林檎たちを想像すると切なくなりますね!
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