2006年の春に53歳で急逝した、イギリスの陶芸家 故エドワード・ヒューズ夫人の静子さんが、2003年11月以来6年振りに来福。当夜11月30日に、エドワードや静子さんと顔見知りである10人程の人が集まり、店の2階で小さな歓迎会を開きました。
その後の一週間、彼女は我が家に滞在して、お喋りや散歩を楽しんだ後、昨12月7日、次の目的地東京へ無事に旅立ちました。仕事の上で自分が現在やっている事の意味、あるいは自分自身が抱えている問題などについて、普段あまり人と話す機会のない私にとって、静子さんの福岡滞在は“会話”を通して、それを確かめる絶好の機会でもありました。結果、自分が考えてもいなかった様な処から、自分の内面に光が当てられた様な感じで、私にとってじつに得難い経験でした。
話した内容そのままではありませんが、幾つかご紹介しましょうか。
まず、私が選んだこの仕事を通して望んでいるのは、富や世俗的な名誉よりも、自己の内に照らしてみて矛盾の少ない生き方、いわば“美しさ”を生き方に求める(こう活字にすると、かなり恥ずかしいですが)と言ったところ、それはきわめて伝統的な日本人の価値観そのものだと指摘をされたり、あるいは、私自身が仕事について持っていると思っている“確信”が実は“妄信”と、紙一重のものであって、危ういものである事。また、時代が変わっていく中で、本質を変えずに変化を指向して行く“適応”についても、日本人とイギリス人のそれらに対する考え方の違いを取り上げて様々に論ずる等、まことに興味深く面白い話が出来たのです。他人(ひと)と話をする事の意味と必要性を、改めて考えさせられた一週間でした。
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