2009年9月22日火曜日
山陰へ 3
翌15日の昼近く、出西から国道54号線を広島まで延々と上り(約130Km)、その後広島から福山東まで高速道を使って(約100Km)ガラスの仕事をやる村松さんを工房にお訪ねしました。出掛ける前に村松さんから送って貰っていた地図の出来が良く、迷わずに神辺の工房へ。訪ねてくる人は皆、道がわからず途中で電話をして来るのに私達は1回で辿り着く事が出来、村松さんにびっくりされました。
住宅がまばらになり、小高い林へ続く上りの道から少し下った処、
借り地である畑地の一部に、木造で板やトタンを使って簡単に廻りを囲っただけの工房が建っています。灯油を燃料にしたガラスを溶かす炉が中心に据えられている他は、がらんとした町工場の様な雰囲気です。この工房の炉に火が入っている間、食事で家に帰る以外は朝早くから夕方までガラスを吹き、工房の中2階にあるカーテンで仕切っただけの場所に、寝泊まりしながら仕事をするのだそうです。
個人でガラスの仕事をする人の工房を数カ所見た事がありますが、こんなやり方は初めてです。良し悪しは別として、この仕事の形が村松さんの仕事にも反映されている事を、こうやって工房を御訪ねしてみて初めて確認出来ました。さて、その村松さんが9月の初めに大阪で開催された「国画会・西の会」に出品をし、私も兼ねてから見たいと思っていた九寸程の皿を、工房で見る事が出来て幸いでした。1時間程を工房で過ごしたのち山陽道を経由して、太宰府の自宅に午後9時過ぎ、無事に辿り着きました。総走行距離数およそ1500Km。行ったり来たりで、まことに効率の悪い、でも実り多い楽しい旅でした。
山陰へ 2
翌14日朝、喫茶 “HANA”で山本さんのお弟子のSO君、なおちゃんと一緒に、珈琲と無花果のコンポートを御馳走になった後、大山の麓で家具の仕事をしているYさんの工房へ。いつもの経路とは違う道を使った為もあり、標高700メートル程の所に在る大山寺まで誤って登ってしまったりしながら、3時頃ようやくYさんの工房に到着。その日が、境港から取り寄せた“さんま”を皆で楽しむ会の2日目と云う事で、米子で織物をしている人達中心の10人程の集まりに私達夫婦も加えて頂き、さんまをはじめお握りや果物を腹一杯詰め込みました。その中の御一人とは、25年前くらいに米子の織物工房をお訪ねした時に、顔合わせをしていた事がわかったりして、1時間があっという間に過ぎました。野菜を育てているYさんに、ゴーヤやトウモロコシ、サツマイモなどどっさり頂いて、“山陰道”(有料)経由で出西窯へ。
福岡からはるばる持参した花の苗を、出西窯の数人の人に御頒けしたり(石村さんや、山本さんの奥さんの房江さん始め、あちこちに花友達を作るのが細君の取り柄の一つです)、Bさんがほぼ30年振りに、型起こしをして取り置いてくれていた(良い出来で、嬉しい仕事でした)
長角皿を見せて貰ったり。久しぶりの登り窯の窯出しに行き合わせて、予定以上の仕入れをする羽目になったり(嬉しい誤算でしたけれど)、と楽しい時間を過ごしました。
帰り際、出西窯・創業者のお一人Nさん(35年前に出西窯を初めて訪問した時、私の御相手をして下さったのがNさんで、今年81歳になられたとの事。御元気でした)と偶然お会い出来、そのNさんから小松菜の様な菜をどっさりと、白イチジクを頂戴し細君は大喜び。
イチジクは彼女の大好物なのです。土産の大荷物と、焼物を車に積み込んで宿の厚生年金会館へ。
2009年9月21日月曜日
七尾 佳洋 八女展 始まる
昨20日から、八女の朝日屋酒店で北海道在の七尾佳洋さんの作陶展が始まりました。19日土曜日の昼過ぎに太宰府を出発。おりから5連休(人によっては4連休)の初日とて、すごい渋滞で国道3号線を使って、八女まで行くのに約2時間半(普通1時間)かかり、3時頃ようやく到着。でも、高橋さんが開梱し前準備をして下さったお陰で、すぐに作業を始める事が出来ました。10時半頃、ようやく物並べ終了。今回も手伝ってくれた長男共々、高橋さんからいつものカフェで、ビールを御馳走になりました。
しかし、こうやって作品を並べてみると、作った人の性格まで見えて来る(ような気がする)から不思議です。
え!七尾さんがどんな性格かと仰るのですか。それは、七尾さんに直接お話しする事にいたしましょう。
山陰へ 1
先週の日曜日から火曜日に掛けて、およそ1年半振りに、山陰を訪ねる短い旅を致しました。今回の主な目的は、まず“リース作り”の石村朋子さんに久世でお目にかかる事。そして来年、作陶生活40年を迎える鳥取の山本教行さんをお訪ねして、来春14回目になる福岡での個展の日程を詰め、お願いをする事。また西に下る途中、登り窯の窯出しを終えたばかりの出西窯を訪ねて品を選び、同窯のAさんが以前店に送ってくれた品と、Bさんが作り置きしていてくれた物を見せて貰い、私の感想を述べる事。主には、この三つの約束を果たす為です。
さて13日の日曜日、予定より2時間遅れの午前6時45分出発。行きに寄る予定だった福山在のガラスの村松さんの工房訪問を帰りに回し、ひたすら久世を目指し車を走らせました。
約束の時間よりかなり早く、12時頃に待ち合わせ場所のカレー屋さんに到着。大きな病気をなさった後、体調維持のため昼寝が欠かせない石村さんとの約束の時間は午後2時30分。お昼を食べても、まだ時間がたっぷりあります。とはいうものの、今日の目的地・兵庫県境に近い岩美町までは、高速道路を使っても2時間半くらいの道程ゆえ、石村さんとは早くお目にかかりたいのが本当の処です。それを察してか、カレー屋のYさんが石村さんに電話をして下さり約束の時間を30分早める事に。(Yさん、そして石村さん有難うございました)
昨年、石村さんとお知り合いになれたのは、お帰りになる間際の石村さんを、Yさんが私ども夫婦に紹介して下さった事が切っ掛けです。
その時、初対面の細君の顔をご覧になった石村さんの第一声、「貴女とは会った事がある!」 それから、2年続けて我が家の庭の紫陽花を詰め合わせてお送りしたり(細君)、5・6度手紙の遣り取りをして(わたし)、石村さんと親しくなりました。今回、石村さんの電話番号をお尋ねするつもりで電話を掛けたカレー屋さんに、当の石村さんが居合せたり、石村さんとの間には何かと不思議な事が起こります。お話ししてみると、石村さんの廻りにはそんな不思議がたくさん起こるのだそうです。さて、ご主人の運転する車で、カレー屋さんにお越しの石村さんと久しぶりの御挨拶をし、お茶を御馳走になりながら、1時間程楽しくお話しを致しました。お別れにあたって、幾枚かの刷り物に加え、美しい福成柿の葉をたくさんとご主人丹精の野菜を数種類頂きました。(不思議な事に今度はあちこちで野菜や果物を頂戴しました)
その後、新しく出来た“鳥取道”(無料でした)のお陰もあり予定より早い午後5時過ぎに、岩美町の山本さんの工房に到着。早速、参考館で開催中の“世界のガラス”の展示を見せて頂きました。それから、宿にいったん荷物を置いて、工房から車で20分程の処に在る兵庫県の湯村温泉(早坂 暁 脚本、吉永小百合主演のNHKドラマ“夢千代日記”で有名)に連れて行って貰いました。お風呂でゆったり寛いだ後、山本家に帰り着いて、いよいよ待ちに待った夕食です。今回は、旬の甘えびの刺身と、地元の猪肉を使ったすき焼きです。料理とお酒に、愉快なお喋りををたらふく詰め込んだまま、奥様の房江さんが宿まで車で送って下さり、私共の長い長い一日が終わりました。