2009年8月26日水曜日

残暑の長崎へ




真夏を思わせる厳しい残暑の一日、バスで長崎まで出掛けました。
窓外の高速道路のノリ面いちめんに、高砂百合が咲き乱れるのを眺め楽しむ内、2時間程で長崎駅に到着です。そこから路面電車に乗り換え、会場のギャラリーKへ。2006年2月から4月に掛けて、長崎県美術館で行われたスペインの彫刻家 エドゥアルド・チリーダ展を見に行って以来ですから、およそ3年半振りの長崎です。チリーダの展覧会にも御一緒し又その折、御自宅までお邪魔して収集品をたくさん見せて頂いた、諫早在住のAさんの「アフリカの造型」展と名付けられたコレクションを見るのが、今回の長崎行の目的です。
Aさんのコレクションの守備範囲は広く、中国・唐代の三彩の俑から二川の松絵大鉢の素晴らしいもの、又イギリスのスリップウェアの大皿があるかと思えば、アフリカの仮面や草ビロード、ラフィア布があると云った具合です。今回もアフリカのものだけで70点程。天井につかえそうな程大きいドゴンの梯子や錠付きの木の扉、木の枕に仮面そしてアクセサリー類などのあれやこれやが、決して広くはない会場に賑々しく並べられています。中には、うちの催事で買って頂いたものも並んでいたりして、懐かしく拝見しました。
数年前、或る人の集めた品々を写真で見た事があります。良い物ばかりが集められていて文句の付けようがないのですが、何故だかいっこうに面白くないのです。どうやらそれらのものが、集めた人自身の“物差し”で選ばれているのでなく、すべてに渡って何かしらの名前や権威に依存したものの様に見える為、名作全集の揃った本棚か推薦盤ばかりが並んでいるレコード棚を覗いている様で、その人の素顔が見えずつまらないのです。今回のAさんのアフリカ工藝品のコレクションは、現代抽象絵画にも興味をお持ちのAさんらしく、おもに平面の仕事にAさんの好みの反映が見える様な気がしました。
他の領域のものと併せて並べれば、個人のコレクションとしては立派な展観が出来ます。いつか福岡で、並べてみたいと思いながら帰りのバスに乗りました。

1 件のコメント:

  1. 前崎です。
    写真を見るだけでもすごいですね。
    是非あまねやでやって下さい。
    布を見ているとチリダも真っ青ですね。
    12月はどうにか見られるようには、
    もっていきたいと思っています。

    返信削除